ひなた荘へようこそ
『あれ・・・？』
台所でポツリと呟く少女の声・・・
しのぶ『困ったなぁ・・・
タマゴがなくなっちゃった・・・
今日はタマゴを使おうと思ってたのに・・・・・・』
『あらあら、
しのぶちゃんも食べたくなっちゃったの？』
しのぶ『・・・はい？』
『スゥちゃんも食べたがってたわよね』
しのぶ『あ、むつみさん』
むつみ『今日はカメ鍋かしら？』
『みゅ？』
しのぶ『た タマちゃんのことじゃありませんっ!!
卵です 白くて丸い・・・』
むつみ『うふふ
ちょっとした冗談』
タマ『みゅ〜』
しのぶ『・・・わ 私・・・ちょっと買い物に行ってきますから・・・』
むつみ『気をつけてね
間違っても「戦車」にはぶつからないようにね』
しのぶ『間違ってもそんなのぶつかれませんよ』
むつみの冗談に少し笑みを浮かべ、しのぶは廊下の方へ歩いていった
むつみ『・・・？
何か・・・嫌な予感が・・・
・・・・・・あ、気が・・・遠く・・・』
パタッ・・・
いつもながら倒れてしまうむつみであった
タマ『みゅう』
ラブひな
ひなた荘管理人記録[１P]
『笑っていてほしいから･･･』
(前編)
---そして１階ロビー
『ハヒャホ
ヒャヘヒハ
うきゃーー
Y』
なにやら狂ったような声が聞こえる・・・
どうやら男性の声らしい
『景太郎!
あんたサルじゃないんだから もう少し落ち着きなさいよ!!』
景太郎『だだだだってさ
俺もついに・・・ついに合格したんだよ!?
この喜び、お前にもわかるだろ？成瀬川』
なる『あのねぇ、
あんた帰ってきてからずっとそうじゃない!
パララケルスから帰ってきてから・・・』
『まぁまぁ、ええやないかなる
今の今まで夢見てきたことが叶った人間っちゅうのはこういうもんや』
なる『キツネ・・・』
４回目の東大試験
東大試験（特に二次試験）を失敗したと思った景太郎は、フェリーで逃亡
そして南国「パララケルス」に流れ着く
・・・しかし、景太郎は東大に受かっていたのである
それを知ったひなた荘の住人達は、
景太郎を追ってパララケルスへ・・・
すでになるはパララケルスに・・・
そしてパララケルスにて
「東大合格」
を景太郎＆なるに伝える・・・
（※銅鐸が降格・・・ではない）
そこまでしてもらって・・・
苦労があって・・・
みんなと一緒にがんばってきた今までがあったからこそ・・・
景太郎にはそれほどの喜びがあるのだろう
・・・とはいっても、これは流石にいきすぎではないか･･･？
密かにそう思うなるであった
キツネ『よっしゃ！
けーたろ達の東大合格を祝って宴会や！』
なる『あんたはなにかあるとすぐ・・・』
キツネ『まぁまぁ、めでたいことやんか〜』
『めでたいってなんや〜？』
キツネ『めでたいってのはなスゥ・・・』
ちゃっかり出てきたスゥの質問に
キツネは自分なりの「めでたい」という意味を教えた
スゥにはキツネの言ったとおりの言葉が記憶された
スゥ『そりゃめでたいな〜
めでたいんなら宴会や〜』
・・・つまり、そう教えたらしい
『そういえば、そろそろ花見の季節ですね』
キツネ『そやそや♪
モトコの言う通りや
今から花見するで〜！』
スゥ『花見や花見〜』
景太郎『よし、毎年恒例お花見大会だ〜！』
キツネ＆スゥに加え、景太郎もハイテンションな状態である
素子『き キツネさん・・・、
お花見大会の日は明日なんじゃ・・・』
キツネ『まぁまぁ、細かいことはえ〜やんか〜』
なる『・・・はぁ、まったくいつもいつも・・・』
なる（・・・ま、今回はこれでいいのかもね・・・
やっと東大に合格できたんだから・・・）
キツネ『そうと決まれば(?)酒や酒〜』
スゥ『宴会や〜〜〜！』
『どーしたんだよ？何かうるさいけど・・・』
スゥ『チビも一緒に宴会や〜！』
サラ『チビって言うな！
サラって名前があるんだ！』
かなり盛り上がっている１階のロビーにしのぶが通りかかった
しのぶ『？ みなさんどうしたんですか？』
スゥ『宴会や宴会〜』
さきほどから「宴会」という単語を連発しているスゥ
しのぶ『え・・・宴会？』
スゥ『せや宴会や♪』
キツネ『花見のことや』
しのぶ『そういえば明日でしたっけ？
お花見大会』
キツネ『それがな・・・
急遽今日に変更になったんや、お花見大会』
しのぶ『え？ そ そうなんですか？』
素子『それはキツネさんが勝手に決めたのでは･･･？』
キツネ『ええやんか〜』
なる『・・・まぁ、今回は特別に･･･いいんじゃない？』
素子『・・・まぁ・・・、東大合格祝い・・・
それなら納得できますね』
景太郎『そうだよ、俺･･･合格したんだよ〜！
合格･･･合格・・・東大生・・・いい響きだ・・・』
なる『それであんた何回目よ？
合格、東大・・・って』
景太郎『きゃっほ〜ぃ！』
ツルッ
・・・↑の効果音（？）のごとく、
景太郎は見事にすべった
・・・そして
ムニュッ
景太郎は手に何かやわらかい感触を感じた・・・
・・・そして同時に殺気を感じた
景太郎『な なるっ・・・
ご ごめっ・・・』
なる『
もう少し静かにしてろーっ!!!!』
ギャバッ（殴
景太郎『ぷろぺらーーーっ!?』
キツネ『お約束やな〜・・・
・・・で、何回目や？なる』
なる『はぁっはぁっ・・・
な 何回目・・・？』
キツネ『けーたろに胸触らした数や』
なる『そんなの知らないわよっ!!』
スゥ『あやや・・・、けーたろがすべったアレ、
ウチが食べてたバナナの皮やん』
しのぶ『そこら辺に捨てちゃダメでしょ、カオラ』
キツネ『世の男性人がうらやむ数やな〜？
けーたろは幸せもんや〜』
なる『バカ言ってないで
ホラ! 宴会の準備をするんでしょ!?』
キツネ『はいはい』
なる（東大に合格しても全然変わってないじゃない・・・あのバカは）
キツネ『ん？
ありゃ、つまみがないやん
酒は・・・まにおうてるのに、つまみがなけりゃ話にならんやん・・・
買うてこなあかんなぁ・・・』
しのぶ『あ、私行きます』
キツネ『ええんか？』
しのぶ『はい、ちょうど卵を買おうと思っていたところですし』
キツネ『ほなまかせるでしのぶ!』
しのぶ『はい!』
---そしてひなた荘玄関
『ん？ 買出しか？しのぶ』
しのぶ『あ、はるかさん
はい、冷蔵庫に卵がなかったので・・・
それに、おつまみ買ってこようと思って』
はるか『そうか、じゃ 気をつけてな』
しのぶ『はい』
駆け出したしのぶにはるかからもう一言・・・
はるか『最近妙な車が走り回ってるらしいから気をつけろよ』
しのぶ『妙な車・・・ですか？』
はるか『・・・そうだな、
聞いた話じゃ・・・「戦車」とか・・・・・・』
しのぶ『へ・・・？』
少し悪寒を感じるしのぶであった
しのぶ（・・・あわわ、
むつみさんの言ったとおり・・・、
「戦車」にだけは間違ってもぶつからないようにしなきゃ・・・）
そしてしのぶは階段を駆け下りた
---階段下
・・・階段を下りた先には
血を流して倒れている景太郎の姿があった
しのぶ『きゃーっ!?
せ センパイ!?センパイ!!』
景太郎『・・・イテテ』
景太郎はむっくりと起き上がった
出血量のわりに、特に悪いところはない様子
景太郎『ん？ どうしたのしのぶちゃん』
しのぶ『だ 大丈夫なんですか・・・？』
景太郎『ははは・・・、全然大丈夫だよ
ほら、俺不死身だし』
そう言うと景太郎は一人笑っていた
しのぶ『クス、そうでしたね
それでは、私買い物に行きますので』
景太郎『？ 買い物って？』
しのぶ『え〜っと、・・・ほら 冷蔵庫に卵がなかったじゃないですか
だから卵と、キツネさんに頼まれたおつまみを・・・』
景太郎『・・・キツネさん本気だったのか・・・』
しのぶ『みたいですね
東大合格祝いだそうですよ』
景太郎（明日までぶっ続けで次は花見大会・・・なんてことにはならないよな・・・？）
あながちはずれそうではない予想だった
しのぶ『じゃ、私行ってきます』
景太郎『待って』
しのぶ『はい? どうかしましたか?』
景太郎『俺も付き合うよ』
しのぶ『え?』
しのぶ（えぇぇぇぇぇぇぇ!?
せ センパイ!?)
景太郎『一人じゃ大変でしょ?』
しのぶ『・・・・・・』
しのぶ（セセセセンパイが!?
わ 私なんかと・・・!?）
しのぶはそっち方向へ頭が傾いてしまっているようだ
景太郎（あ・・・、子ども扱いしちゃったかな・・・?）
しのぶ『い いいんですか・・・？』
景太郎『うん、おつまみなんか結構な量になるんじゃないかな？と思って』
しのぶ『あ ありがとうございますセンパイ』
景太郎『さ、手早く済ませちゃおう』
しのぶ『はい!』
・・・・・・・・・・・・・・・・続く
あとがき？
さて・・・、長編のSSを書いていると途中脱線したくなっちゃいます・・・（ｪ
・・・てなわけで普通のラブひなのSSを書いてみました
舞台的には、原作の「HINATA.70 東大へ行こう!」のあたりですね
（っていうか１日前・・・かな?）
今回はみんな出てきててよかったんじゃないかな・・・、と思います
（勢いで書いてるとずっと出てこなくなる人がいたりして・・・）
（瀬田さんはパララケルスなんで）
みんな出たけど、セリフが少なくなってしまう・・・
多くすると何か長くなりそうで
途中で物語が別の方向に傾きそうで・・・
一応続きがありますのでそちらもよろしQoo
・・・どうでもいいけど、
誰かむつみさんのことを・・・・・・
