〜太陽神の物語〜

――空からさんさんと太陽が照りつける。
春の太陽は暖かく、夏の太陽は熱い。
そして秋の太陽は涼しく、冬の太陽は冷たい。
これはまるで太陽の感情を表しているかのようである。

太陽がほがらかに微笑む春。
その太陽の下で日々生きている数々の生物たち。
春の太陽はこの者たちを暖かい心で見守っているのだろうか。
しかし、夏になるとその熱さでこの者たちを苦しめる。
秋になるとそれも静まり、少々肌寒い風が流れる。
そして冬。
今までの暖かさを何処においてきてしまったのか、自分の役目を果たさなくなった太陽がこの者たちを再び苦しめるのだ。

このように、もしかすると太陽はどこか人間と似ている部分があるのかもしれない。

「もしも太陽に感情が･･･心があったのならば」

この物語は、そんな太陽とその子どもたちが繰り広げた一つのエピソードである。


今年もまた、春がやってきた――