マンスターで決意をした翌日、解放軍は竜騎士達と戦っていた。
「いいか!深追いだけはするな。別働隊がアーチを倒すまでアーチの範囲外から竜騎士を迎え撃て!」
シュウが竜騎士を迎え撃ちながら言った。
別働隊とは、クーフを中心とした歩兵部隊で、山に潜みながらアーチを壊すために動いていた。
「やっぱりシュウ達の言うとおり、ここからだとアーチの死角で撃たれない、ホーク、アミッド、合図をしたら頼む」
クーフが山を歩きながら言った。
「ああ、任せてくれ。私が炎の魔法を起こせばいいのか?」
「そうだ、それを俺が風に乗せて一気に燃やす。成功すればアーチは簡単に一掃出来る筈だ」
「よし、2人とも、そろそろだ、頼むぞ」
クーフは立ち止まり、2人に言った。
「それじゃあホーク、頼んだ」
「任せてくれ、エルファイアー!」
「風よ、運んでくれ、エルウィンド!」
ホークが出した炎をアミッドの風が運び、アーチを発火させた。
「よし!この混乱の隙に一気に制圧する!」
クーフがバルムンクを掲げ、先陣を切った。
「あれは、よし!別働隊の作戦が成功した!全軍一気に駆け抜けるぞ!」
シュウはそう言い、竜騎士を払いながら進んで行った。
アーチの制圧で、勢いをつけた解放軍は、そのままミーズ城を制圧した。
「シュウ様、1つお話が・・・」
城の屋上でトラキアの大地を眺めていたシュウにフィンが声をかけた。
「フィンか、どうした?」
「あの山頂にいた女竜騎士は見ましたか?」
「ああ、あの目、悲しそうだったな・・・」
シュウが竜騎士を見たときのことを思い出しながら言った。
「はい、それであの竜騎士は・・・リーフ様の姉、アルテナ様です」
「何!?それは本当か!」
シュウは驚いてフィンに問い返した。
「はい、あの竜騎士が持っていた槍、あれはキュアン様が使っていたゲイボルクです」
「そうか・・・そのことはリーフに話したのか?」
「はい、先ほどシュウ様に伝える前に」
「そうか、分かった」
「では、私はこれで・・・」
フィンはそう言い、部屋へと戻っていった。シュウはトラキアの大地をしばらく見つめていた。