「なるほど・・・ブルームはアルスター、レンスターへ向けて既に軍を出してるのか。
レンスターはリーフ達がいるとはいえ、厳しいな」
シュウは報告を受けて呟いた。
「シュウ、また軍を2分するのか?」
トリスタンがシュウに聞いた。
「ああ、騎馬部隊は全員そっちに送る。アルスターへ向かってきているのは重騎士とマージの編成みたいだからな。
後、アーサーはそっちの部隊で頼む」
「任せてくれ。天馬騎士はどうするんだ?」
「一応フィーとフィリをそっちの部隊に加えてくれ」
「分かった」
トリスタンは最後にそう言い、天幕から出て、部隊を編成し、レンスターに向かった。
「こっちも遅れずに攻めあがる!敵部隊を倒して合流だ!」
シュウは天幕から出て、部隊に言った。
そしてアルスターの北東にある森の中にて、戦いが始まった。
「いいか!アーマーは森の中では動きが制限される。マージを先に狙え!」
シュウは敵の魔法を斧で切り裂きながら指示を出していた。
「シュウ、マージは私達に任せて敵将を!」
ラドネイがサンダーを避けながらシュウに伝えた。
「分かった。任せたぞ」
シュウはラドネイにそう言い、森の中を走り、敵将を見つけた。
「覚悟!」
シュウは敵将に向かって斧を振り下ろした。
「くっ、反乱軍が・・・」
「お前が敵将だな。その首貰った!」
シュウはそう言い、敵将へと斧を振った。
「私とてやすやすとは負けん!」
敵将はそう言い、槍を振りかざし、シュウに攻撃したが、あっさりと避けられた。
「ちなみに、俺ばかり構ってると殺されるぜ」
シュウがそう言うと、シュウの後ろから2つの影が飛び出した。クーフとロドルバンである。
そして2人は同時に敵将を斬りつけ、倒した。
「だから言っただろ、フリージ軍よ!お前たちの大将は討ち取った!降伏せよ!」
シュウはそう言い、フリージ軍を降伏させた。
「シュウ、まずいことになった」
レヴィンが急に現れ、シュウに話しかけた。
「まずいこと、一体何ですか?」
「雷神、イシュタルが動き出した」
「雷神・・・イシュタル」
シュウがその言葉を呟き、固まった。
「急いで合流するんだ、合流をすればまだ活路が見出せる」
レヴィンの助言を聞き、シュウはうなずいてから部隊に合流するという指示を出した。
「シュウさん・・・」
「ユリアか、大丈夫だ」
シュウがそう言うと、ユリアは首を振ってから言った。
「いえ、この辺りに邪悪な気配が漂っている気がします」
「邪悪な気?どういうことなんだ?」
シュウがそう言った時、ユリアに何か変化が起きた。
「・・・イシュタルは恐ろしい敵・・・戦ってはなりません・・・」
「ユリア!どうした!」
シュウがユリアの肩を揺さぶり、言うとユリアは正気に返り、言った。
「ハッ・・・私は・・・一体何を・・・」
「ユリア・・・お前は・・・」
シュウはそう呟いた。