「それで、俺の所に来たって訳か・・・」
シュウがリーフとナンナを見て言った。
「はい、兄さんがどうなったかを知りたいのです」
ナンナのその一言を聞き、シュウは見ていた紙を机に置き、
「つらいぞ・・・」
そう言ってから真実を話した。
「レヴィン様から聞いた話だが・・・どうやらセリス様たち同様に殺されたらしい。俺から言えるのはそれだけだ」
シュウのその話を聞き、ナンナは黙って退室した。
「やはりつらいみたいだな。リーフ、あいつの傷を癒せるのはお前だけだ。力になってやれ」
「ああ、分かった。ありがとう」
リーフはそう言い、シュウの部屋から退室した。
「つらい役目を押し付けてすまなかったな・・・」
部屋の隅にいたレヴィンがシュウに言った。
「いえ、これくらいのことなら任せてください」
シュウはそう言い、再び戦後処理を済ませていた。
そして、リーフはナンナの所に行き、声をかけた。
「ナンナ、大丈夫?」
「はい・・・すみません、リーフ様」
「いや、気にしなくていいよ。肉親があんなことになったら僕も悲しむから・・・」
リーフは空を見ながら言った。
「あ、リーフ様は・・・」
「大丈夫、気にしなくていいから。それに、ナンナには僕がいるから大丈夫だよ」
「え・・・?」
「ナンナは僕が守る。それでいいね」
「はい・・・」
2人はそう言い、抱き合った。
「イシュタル王女?」
アーサーはティニーとリンダに聞いた。
「はい、私やティニーもよくお世話になってました」
リンダがそれに答える。
「なるほど・・・戦いたくない相手だな・・・」
アーサーが静かに呟く。3人はフリージのことについて話していた。
「はい、もし今度の戦いで会った場合、一度話をしてみようと思ってます」
「分かった。後でアミッドにも話しておく」
アーサーはそう言い、部屋を退室した。
翌日、シュウはユリアと共に町に出ていた。
「町に出るのも久しぶりだな・・・」
シュウが呟いた。
「シュウさんはいつも大変なんですね・・・」
ユリアが心配するようにシュウに言った。
「いや、気にしなくていい。俺がやらないといけないからな。それが俺が今やることだからな」
シュウはそう言うと、近くの店の主人に声をかけられた。
「そこのお二人さん仲がいいね、どうだい?彼女にでもこれをプレゼントしないか?」
その声を聞いてユリアは顔を赤らめ、シュウは少し動揺してから言った。
「えっ・・・ああ、そうだな・・・じゃあ、それをくれないか?」
シュウはお金を払い、1つのペンダントを買った。そしてそれをユリアに渡した。
「あ、すみません。シュウさん」
「気にしなくていい。それに、いつも世話になってるから大丈夫だ」
シュウはそう言い、歩き出した。ユリアもそれに続き、手をつないで歩いていった。