メルゲン城へはシュウがクーフとロドルバンとラドネイを連れて突撃していき、城内へ侵入した。
「そういえば俺の力をまだ見せてないな。ザコは俺に任せてくれ」
クーフがそう言ってバルムンクを抜いてザコに向かっていき、一瞬で倒した。
「凄いな・・・」
シュウはぽつりとそう呟いた。ロドルバンやラドネイも同じような感想を漏らしていた。
「今の騒ぎで兵が駆けつける。急いでここを制圧するぞ!」
シュウは気を取り直して3人に言った。そして屋上に上がった時突然雷球が飛んで来た。
「お前達、よくもライザを・・・許さん」
「お前がイシュトーか・・・」
シュウは静かに言った。イシュトーは何も答えず雷球を放った。シュウは冷静に斧で切り裂いた。
「そのライザにも信念があったように俺達にも信念がある。いわば信念のぶつかりあいだ・・・恨みなんか、かけられる覚えは無い!」
シュウは再び繰り出された雷球を切り裂き、そのままイシュトーを叩ききった。
「そうだな、これは戦争だったな・・・。ライザ、今行く・・・」
イシュトーはそう言って息絶えた。
「戦争は悲しい物だな・・・速く終わらせるべきだな」
クーフがぽつりと呟いた。
数時間後、解放軍を城に入城させた後シュウはトリスタンやレヴィン等と共に次の戦いの策を練っていた。
「メルゲンを制圧したとなるとおそらくダーナの兵達もやってくる、それに合わせてアルスターからも兵がやってくる。
策は2つ、篭城するか迎え撃つかだ」
レヴィンが言った。
「そうだな、普通に考えれば篭城だけど、リーフ王子達のこともある。トリスタン、騎馬部隊を率いてダーナ軍を迎え撃ってくれ。
俺はアルスター軍を迎え撃つと共にリーフ王子と合流する」
「ああ、分かった。任せておけ」
「強行軍になるが明日にでも出撃しよう。早くしないとリーフ王子達の救援に間に合わない可能性がある」
シュウはそう言って終わらせ、部隊の方に向かった。
「カリスマ性があるな・・・」
レヴィンがポツリと呟いた。
「ええ、俺もあの人の凄さを認めてます。斧だけじゃなく剣も一級、さらに軍師顔負けのあの頭の回転・・・」
トリスタンもそう呟いた。
次の日、シュウは歩兵部隊を率いてアルスター軍を迎え撃つためにメルゲン城を出た。
「トリスタン、そっちの部隊は頼むぞ」
「昨日も言ったはずだ。任せてくれ」
「ああ、頼んだ」
そう言ってシュウはアルスターの方へ進軍して行った。
「俺達も迎え撃つぞ!出撃だ!」
トリスタンが騎馬兵達に言った。