「いいか!敵の戦力はもうない!下手に攻め込むな!」
シュウが敵の攻撃を避け、反撃を当てながら指示を出した。
「シュウ、数名引き連れて城内に向かって突撃してくれ。俺とアミッドが道を開く」
アーサーがシュウに近づいて言った。
「分かった。ロドルバン、ヨハルヴァ、多少の部隊を連れて一緒に来てくれ」
シュウはそう言って2人と部隊の一部を呼び、城に向かって突撃していった。
「アミッド、一気に行くぜ」
「ああ、分かってるよ!」
2人は魔道書を取り出し、魔法を使った。
「エルファイアー!」
「ウィンド!」
2人の魔法が城への道を開きシュウ達は一気になだれ込んだ。
「どうやら親父はほとんど城の周りに兵を配置したみたいだな。ほとんどいないぜ」
しかし上の階に行くごとに少しずつ兵は増えていった。
「くっ、やっぱりダナンも必死だな。どんどんかなり兵を置いてる・・・」
ロドルバンが向かってくる敵を斬りながら言った。
「仕方ない、ここは僕が請け負います。皆さんは上に」
「カディ、すまないな。部隊は頼んだぞ!」
「はい、ヨハルヴァ様もご無事で」
そう言ってカディ達はは斧部隊を引き付けた。その後も何度か襲撃を受けたものの、屋上にたどり着いた。
「ダナン!」
シュウがダナンに斧の切っ先を向けて言った。
「反乱軍ごときが・・・」
ダナンも斧を構えた。
「親父、地獄に落ちて反省しろ」
「このバカ息子が・・・」
「ダナン、イザーク全土の人の恨み、それをすべて受けろ」
「お前らにやらせはせんぞ!」
そう言ってダナンが襲い掛かってきた。
「くっ!」
攻撃を受けたロドルバンの剣が一撃で折れた。
「ロドルバン、下手に攻撃を受け止めるな。これを使え」
シュウがそう言って持っていた剣をロドルバンに渡した。
「すまない」
ロドルバンは剣を抜きながらそう言った。そして3人は代わる代わる攻撃して少しずつダメージを蓄積させていった。
「ロドルバン、ヨハルヴァ。まだ体力は持つか?」
「俺は後3回ほどが限界だ」
「俺も同じくらいだ」
「それじゃあ、次で決めるぞ」
シュウがそう言ってダナンに突撃した。ダナンの振り下ろした斧はすんでの所でかわす。
そして左右からロドルバンとヨハルヴァも突撃し。剣と斧が振り下ろされ、ダナンに当たる。
「お前らみたいな寄せ集めの軍に・・・ブリアン・・・後は頼んだ・・・」
そう言ってダナンは絶命した。そしてシュウは屋上で戦いの見える所に行き、叫んだ。
「ダナンは倒れた!イザークは完全に解放された!!」
シュウの叫びが戦場に響き渡り、戦いは終わった。
「シュウ、やったな」
シュウは突然背後から声をかけられ、振り向いた。そこにはレヴィンがいた。
「レヴィン様、戻ってきたのですか」
「ああ、先ほどな。お前の叫びが聞こえたからここに向かった。それで、これからやるべきことは決まっているだろう」
「はい、このイザーク解放を足がかりに・・・帝国を潰す!」
シュウは決意を込めてそう言った。