「投斧部隊?」
シュウはヨハルヴァの言った言葉を聞き返した。
「ああ、リボーにいるシュミット将軍率いる部隊だ。手斧を使い一撃離脱をして敵が深追いしたところを将軍自ら突撃する部隊だ。」
ヨハルヴァの説明を受けてシュウは悩んだ。
「となると、厳しいな・・・。深追いすれば将軍が来て、深追いしなければ手斧の攻撃を受け続ける。ある意味理想の戦術だな」
シュウはそう言って1つの結論を出した。
「そうなったら。フィー、フェミナ。頼みたいことがある」
シュウは2人の天馬騎士を呼び出した。
「2人にはイザーク城の北から襲撃して欲しい、襲撃のタイミングは・・・フィー、フェリシアを乗せてイザーク城に一度よってくれ。
襲撃はフェリシアが魔法を使ったらしてくれ」
「はい、分かりました」
フィーが代表として答えて2人は準備をした。
「後は、フェリシア。作戦内容をトリスタン達に伝えてくれ」
「はい」
「俺達も準備だ。攻撃は今から3時間後だからな」
シュウはそう言って準備を始めた。
そして数10分後、イザーク城では
「なるほど、ヨハン殿、そっちの部隊は大丈夫か?」
「ああ、今すぐにでも出撃できる」
「分かった。開始はまだ先だが、包囲するために相当分隊してるな。うまく行けば一気に倒せるな」
ヨハンとトリスタンがフェリシアの報告を受けて話し合っていた。
そして、攻める時間帯となった。
「フェリシア殿、私達が出ると共に魔法を頼む」
「任せてください」
フェリシアは魔道書を持ち言った。
「それじゃあ騎馬隊、出るぞ!」
トリスタンがそう言って城門を開け、騎馬隊が外に出る。そして、
「エルサンダー!」
フェリシアの魔法が発動する。騎馬隊が出たときに功をあせった一部の投げ斧部隊が巻き込まれる。
それと同時に北からフィーとフェミナが、南から歩兵部隊が同時に攻め込む。
「シュミット様!3方向から攻め込まれて部隊は壊滅寸前です!」
「くっ・・・」
シュミットは呆然としていた。無理も無い、一瞬にして部隊が壊滅寸前なのだから。
「お前が将軍か、イザークの者達の恨み!その身に受けてみろ!」
トリスタンが攻撃をかいくぐり、シュミットに渾身の一撃を叩き込んだ。シュミットは避けきれずその攻撃を受け、倒れた。
「お前達の将軍は俺が討ち取った!武器を捨てろ!」
トリスタンの降伏勧告にほとんどの騎士が武器を捨てた。
「トリスタン、ヨハン、大丈夫か?」
シュウが2人に駆け寄って聞いた。
「俺は大丈夫だ」
「私も大きな傷は負ってない」
「そうか、それなら・・・」
シュウはそう言って部隊全員に声が届く所に行き、叫んだ。
「みんな!これからリボーに進撃する!イザークを解放するぞ!」
「おお!!」
「やってやるぜ!!」
あちこちから声が上がった。そして解放軍はリボーに進撃していった。