「あの2人との戦いは回避出来ないか・・・」
会議でシュウが言った。
「私が2人同時に説得出来ればいいのですが・・・」
ラドネイが呟いた。ラドネイは昔2人と顔見知りでもある。
「とにかく、城の近くまで引き付けて戦おう。ラドネイは彼らにあったら説得を頼みたい」
「分かりました」
そうして会議を終わろうとした所に突然兵が来た。
「シュウ様、イザーク軍とソファラ軍の大将が講和したいと言う報告が来ました」
「詳しく聞かせてくれ」
「はい、1時間後にここから南にある教会で会って話がしたいということです」
「分かった。それじゃあ・・・トリスタン、一緒に来てくれ」
シュウはそう言って会議を終わらせた。
1時間後・・・
シュウはトリスタンを連れて教会に訪れた。既にヨハンとヨハルヴァ、2人の副官であるフォルとカディが来ていた。
「すまない、急に呼び出して」
ヨハルヴァが言った。
「講和をしたいと言ったな、詳しく聞かせてくれ」
「それは私が話そう」
ヨハンがそう言って話し始めた。
「いろいろ考えたが・・・父上にはもうついていけない。部下の安全を確保してくれるなら私もヨハルヴァもあなたの軍に投降しよう」
「分かった。トリスタンも異存はないな」
「ああ、2人は根っからの悪人でないことはラドネイから聞いている」
トリスタンがそう言うと2人の眉がわずかに動いた。
「ところで・・・ラドネイは元気なのか?」
ヨハルヴァが聞いた。シュウはしまったと言わんばかりにうつむいて手を顔につけた。
「トリスタン、頼む・・・」
「はい・・・」
トリスタンも覚悟したようにそう言った。
その頃、ソファラ城の近くに2体のペガサスが降りたった。
「ごめんね、マーニャ、重かったでしょ」
ペガサスから降りたフィーが言った。
「ユーノも大丈夫?」
もう1体のペガサスから降りたフェミナも言った。
「無理言って悪かったな、フィー」
「ああ、フェミナもすまない、後は歩いていく」
ペガサスに乗っていたアーサーとアミッドがそう言った。
「2人とも歩いていくって・・・どこに?」
「「アルスター」」
アーサーとアミッドはまったく同じ言葉を同時に言った。
「アルスターって・・・ここからずいぶん遠いのに行く気なの!」
フィーが驚いて声をあげた。
「いいさ、別に急ぐ旅じゃないし」
「・・・あんた達のその態度・・・ある意味尊敬するわ」
フィーがあきれながら言った。
「ところでフィー、解放軍は西の方みたいよ」
一度上空から降りてきてフェミナが言った。
「2人はこれからどうするんだ?」
アミッドがフィーとフェミナに言った。
「私達はこれから解放軍に参加するの」
「解放軍か、どうせなら俺達も参加しないか?アーサー」
「そうだな、俺達も参加するか」
「本当!それなら一緒に頑張りましょう、相棒!」
フィーはそう言って2人の手を叩いた。そしてペガサスに乗り
「それじゃあ乗せてってあげるから一緒に行きましょう」
そう言って2人はそれぞれフィーとフェミナのペガサスに乗り、飛び立った。
その頃シュウ達はイザークとソファラの軍と合流していた。
「早速だが・・・ヨハン、後トリスタン、頼みたいことがある」
シュウはヨハンとトリスタンを呼び出した。
「おそらくヨハンとヨハルヴァが寝返ったことがばれてるはずだ。そこで2人には騎馬隊で先にイザークに入城してて欲しい」
「分かった。任せてくれ」
「だけどなるべく早くしてくれよ、1日ほどしか持たないほどの戦力しかいないからな」
そう言って2人は騎馬隊と共にイザークへ向かっていった。と、それと入れ替わるようにしてアーサー達が入ってきた。
「君達は?」
「俺はアーサーだ」
「俺はアミッド」
「私はフィーです」
「私はフェミナです」
4人はそれぞれ挨拶した。そして代表としてアーサーが次の言葉を言った。
「俺達も解放軍に入りたいのだけど・・・」
「そうか、歓迎しよう」
シュウはそう言ってアーサーと握手をした。