次の日、トリスタンは騎馬部隊と歩兵部隊を率いて城の前にいた。
「いいか!俺達のすることはシュウ達を城に向かわせるための道を開くことだ。行くぞ!」
号令と共に騎馬部隊が突撃した。ガネーシャの守備隊が慌てて応戦する。
「相手はアーマーだ、下手に深追いするな!後から来る歩兵部隊と連携して戦え!」
そして歩兵部隊が追いつき、守備隊との戦いがより激しくなっていった。
「そろそろいいな、準備はいいか!行くぞ!」
シュウがそう言って城に向かっていった。途中に守備隊の一部が立ちふさがる。
「フェリシア、頼む!」
「任せてください、エルサンダー!!」
シュウの声と共にフェリシアの魔法が発動した。守備隊は魔法使用者がいることを知らず、総崩れとなった。
その間にシュウ達が城に入り込んだ。
「城に侵入されただと!」
城の城主であるハロルドが部下に激を飛ばした。
「すみません、敵にマージがいたようです。魔法を撃たれ守備隊は総崩れに・・・」
「もういい!侵入した敵を撃墜しろ!」
「はっ!」
部下がそう言った時部屋の扉が破られた。
「何だ!」
「解放軍、とでも呼んでもらおうか」
シュウが斧をハロルドに向けながら言った。
「くっ、反乱軍ごときが・・・」
ハロルドが斧を構えながら言った。部下も武器を取り出す。
「部下は任せた」
シュウはロドルバンとラドネイにそう言ってハロルドに向かっていった。
「反乱軍ごときに負けてたまるか!」
ハロルドはそう言って斧を振るった。2つの斧がぶつかり、シュウの斧が折れた。
「ちっ、まずいな・・・」
シュウはそういいながら剣を抜いた。
「まあ元々は剣を使ってたけど!」
そう言ってハロルドに向かっていった。そして・・・
「とどめだ!」
シュウがそう言って剣を振り下ろし、倒した。
「こんな寄せ集めの部隊に・・・」
ハロルドはそう言って息絶えた。
「トリスタン、そっちの被害はどうだ?」
「シュウか、大丈夫だ。怪我をしてる者は多いが死者はいない」
「そうか、それならいいな」
シュウがそう言って立ち去ろうとした所をトリスタンが呼び止めた。
「そうだ、お前に会いたいって奴がいた。城の屋上にいるから行ってやれ」
「ん?そうか、行ってみる」
シュウがそう言って城の屋上に向かうと、そこにはレヴィンがいた。
「あなたは!シレジアのレヴィン王」
「いや、私はもう王ではない、母上と共にシレジアは滅びたのだ」
レヴィンがシュウの言った言葉を否定した。
「そうですか・・・」
「お前が解放軍を率いているのか?」
「はい、シュウと言います」
「そうか、シュウ。お前に頼みたいことがある」
「私に出来ることならば力となります」
シュウがそう言うとレヴィンは誰かを呼んだ。そしてそこに来たのは1人の少女だった。
「彼女の名はユリア。彼女はバーハラの都で倒れているのを助け、今まではシレジアの辺境で保護していたのだが・・・。
そこも危うくなってきたのでやむなく連れてきた」
レヴィンがそこまで言った時ユリアは軽く礼をした。レヴィンは話を続ける。
「それで私は今からレンスターに向かわねばならない、少々足手まといなのだ。シュウ、悪いがしばらくこの子を預かってくれ。
・・・この子はかわいそうな娘だ、私が助けた時には何一つ記憶がなかった。今もまだ・・・」
「そうなのですか・・・。分かりました、私に任せてください」
「頼んだぞ・・・」
レヴィンはそう言って去っていった。
「ユリア、心細いかもしれないが心配はいらない。俺達もまだまだ弱いが、必死に守るからな」
「シュウ様・・・」
「とにかく、風に当たるのはこれくらいにして部屋に行こう」
「はい・・・」
そう言って2人は部屋に向かった。