98話

「何故私の邪魔するの・・・元の世界に戻ったらまた・・・」

シリカはそう言いながらカマを振るった。

「そんな弱い心を持ってるからダメなんだ!もっと心を強く持て!」

鎌がそう言いながら術を発動させる。

「そうだよ楓ちゃん!もう私も迷わない、あなたを守って上げるから!」

奈菜も天使術を使いながらそう言った。

「私は・・・私は・・・」

シリカは迷いながらも俺達に攻撃を仕掛けてくる。

「迷いを解き放て!お前は1人じゃない!」

俺がそう言って槍で突いた。

「そうなんだ・・・私は・・・1人じゃないんだ・・・」

シリカがカマを落としてそう言った。

「奈菜ちゃん、ごめんね・・・あれからずっと・・・考えた。でも、答えが出なかった。それで・・・ようやく答えが出た・・・」

そう言うとシリカの体が少しずつ薄れていった。

「最後のお願い・・・聞いてくれるかな?私の・・・輝石、壊して・・・。
 そうしないと・・・私の弱い心はずっとこの世界に閉ざされる・・・」

「分かった。そういう汚れ役は俺が引き受けよう。鎌、奈菜、それでいいな?」

「はい」

「僕は構わないけど」

「ありがとう・・・翔さん・・・」

俺が槍でシリカの輝石を壊した。シリカの姿が完全に消え去る。

「それじゃあ・・・また元の世界で・・・」

最後にシリカの声が響いた。

「楓ちゃん・・・」

奈菜が泣きながらそう呟いた。

「ロイド・・・そっちも終わったみたいだな・・・」

俺がロイドに聞いた。

「ああ・・・俺達の世界にいてもよかったのに・・・」

「ミトスの・・・分からず屋」

ジーニアスが呟いた。

「ああ、本当に、馬鹿野郎だ・・・」

ロイドがそう言った時、ロイドの2つの魔剣が浮かび、1つに重なってエターナルソードとなった。

「古き契約の主は消えた。新たなる契約の主よ。この剣に何を願う」

オリジンの声が響いた。

「2つの世界を、あるべき姿に!」

ロイドがエターナルソードを掲げ、叫んだ。そしてエターナルソードが光を放ち、全てを呑み込んでいった。


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