97話

「ロイド、あれを見ろ!救いの塔の土台は無事だ!」

俺が救いの塔を指して言った。

「希望が出てきたな〜、ロイド君」

「ああ!」

ロイドはそう言ってレアバードを降りた。そして土台の部分を見に行くとエターナルソードは残っていた。

「新たなる契約主よ、何を望む」

ロイドがエターナルソードを引き抜いた時、オリジンの声がした。

「俺達をデリス・カーラーンへ運んでくれ!ミトスと、大切な仲間がいる所へ!」

「承知した」

そうオリジンが言うとエターナルソードが光り、デリス・カーラーンに着いた。

「ここがデリス・カーラーンか・・・急ごう!」

ロイドがそう言って歩き始めた。

 

「あれは・・・コレットだ!」

ロイドが前方を見て言った。

「くっ、なんて抵抗力だ。このままでは・・・」

コレットの声がした。だが口調はミトスだ。おそらくコレットを通してミトスが喋ってるんだな。

「ミトス!コレットから離れろ!」

ロイドがそう言った瞬間ミトスのクルシスの輝石が光輝いた。

「コレット!大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

コレットは微笑んでロイド言った。

「コレットの意思の強さにミトスは負けたのかもしれないな・・・」

俺がぽつりと呟いた。

「あれ?コレット、ミトスのクルシスの輝石がついたままだけど、それ。取れないのか?」

ロイドがコレットに聞いた。

「うん、そうみたい。でも大丈夫だと思うよ。さっきまでの嫌な感じはもうないから」

「そっか、後は大いなる実りを探さないといけないな」

ロイドがそう言って再び歩き出した。

 

「これで、全てが終わるね」

「ええ、後は大いなる実りを発芽させればいいのね」

「結局ミトスの邪魔は入らなかったな、まあ運がいいってことで」

「いや、まだ分からぬ。もしかすると大いなる実りと共にいるのかも知れぬぞ」

上からジーニアス、リフィル、ゼロス、リーガルの順だ。

「それじゃあ、行くぞ」

俺がそう言って扉を開けた。その先には大いなる実りと・・・ユグドラシル、そしてシリカがいた。

「シリカ、お前のことは奈菜から聞いた」

俺がシリカに言う。俺と鎌と奈菜の現実組はシリカの説得を、ロイド達がユグドラシルの説得をしている。

「私は・・・居場所がない」

シリカがそう言った。

「居場所はある。僕だってそうだから」

鎌がはっきりとそう言い切った。鎌も過去と決別したからな・・・。

「あなたみたいな・・・強い人じゃない」

「いや、僕は強くない、むしろ弱い人だ」

「楓ちゃん・・・」

奈菜が呟いた。

「私はこの世界でようやく1人から解放された・・・だからこの世界を元に戻させない・・・」

そう言ってシリカはカマを取り出した。

「やっぱり・・・戦うしかないのか」

俺がいつでも槍を出せるように呟いた。

「戦いましょう!」

奈菜が強く言った。

「楓ちゃんを救うにはそれしかないです、だから・・・」

奈菜は涙を拭いて杖を取り出した。

「戦います!戦って楓ちゃんを救います!」

かくして、最後の戦いが始まった。


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