85話
「やっぱりこうなったか・・・」
ゼロスが崩れ落ちながら言った。
「さ、裏切り者の俺なんて好きにしな、今ここでとどめを刺しても良いし指さなくてもそのうち死ぬだろうな・・・でひゃひゃひゃ」
ゼロスが半ばやけになりながら言っている。
「いや、死ぬな」
俺がゼロスに法術をかけながらそう言った。
「さて、これでお前の傷は癒えた。これからはお前の好きに生きろ、俺達が世界を統合する。さあ、行くぞ」
俺がそう言って転送装置に乗った。みんなも続いて転送装置に乗り起動させた。
「2人に相談があるのだけれど・・・」
リフィルが俺とリーガルに相談を持ちかけてきた。
「何で俺達に?」
「2人が一番冷静そうだったからよ」
「ふむ、そうか」
俺は冷静かな・・・。まあ良いけど
「この先のことを考えると・・・命の優先順位を決めておかねばならないと思うの」
「なるほど、ロイドには聞かせられない話だな」
リーガルがそう答えた。
「やはり最後の切り札はロイドのあのエクスフィアか?」
俺がリフィルに聞いた。
「ええ、しいて言えばあなたの力もそうだけど・・・」
「なるほど、つまり俺かロイドを死守すべきってことだな」
俺が結論を出した。
「そういうことになるわね」
「ロイドには聞かせられない話だな・・・まったく」
俺が最後にそう呟いて終わった。
「しかしずいぶんと蔦が多いな」
ロイドがソーサラーリングで焼き払いながら進んで行った。
「これもあの大樹の名残だろうな。もしかするとまだ暴走してるのがあるかもしれないな」
「その時はあたしに任せナ、あの時みたいにやってやるよ」
しいなが力強く言った。
「ああ、頼むぜしいな」
ロイドがしいなに言った。
「ところで翔」
「何だ?」
「ゼロスのこと、あれで良いのか?」
「ゼロスのことか・・・ああ、後はあいつを信じるだけだな」
「そうか、信じるしかないな・・・」
ロイドはそれっきり黙った。そしてみんなコレットを救うために急いだ。