84話

「ユアンも味なことしてくれるな・・・」

俺が呟きながら転送装置を作動させた。そして救いの塔の中に入る。

「とりあえずエターナルソードを取りましょうか、以前脱出する時にちょっとした細工をしたので。
 ちょっとこれには神子の力がいるのでゼロスとコレット、来てください」

2人が鎌に近づく、とその時天使達が鎌を取り囲んだ。そして転送装置の所にプロネーマがいる。

「ご苦労じゃった、2人とも」

「ええ」

鎌はそう言ってコレットに当て身をして気絶させてから引き渡した。

「な!鎌、何をする気だよ!ゼロスも何で止めないんだ!」

ロイドが驚いて叫ぶ。

「うるせーな、寄らば大樹の陰って言葉を知らねーのかよ。お前らのしてることは無駄なんだよ。
 いいじゃねーか、コレットちゃんだって生贄になりたがってたんだろ」

ゼロスは冷静に言い放つ。

「それに、こっちにつけば差別はなくなりますからね・・・僕は・・・」

鎌がそこまで言った時俺が声をあげた。

「そうだったな・・・お前は生まれのせいで小さい時から阻害されてたからな・・・」

俺が思い出したように言った。

「翔がいろんな人を説得してくれたお陰である程度マシになってましたけど。
 僕はこっちにつきますね、本当は翔を裏切りたくないんですが」

鎌がそう言った。

「いつかは道を分かつ、それがこの時だったんだろ」

「そうですね・・・」

その時ロイドが叫んだ。

「2人とも・・・嘘だろ!」

「嘘じゃねーよ、俺もこっちにつけば神子の使命を解放してくれるってゆーからな」

ゼロスが切り捨てるように言った。

「神子の使命が嫌なのか?仲間を裏切るほど」

リーガルがゼロスに聞くがゼロスは聞く耳持たないといわんばかりに

「嫌だね、こんな使命のせいで親からも殺されそうにならないと行けないしな」

そう言い放った。

「さて、そろそろ行きましょうか。ゼロス、こっちは頼みましたよ」

「任せといて〜」

鎌と天使達はコレットを連れて去っていった。

「結局こうなっちまったな」

ゼロスが俺達を見て呟く。

「先に向かいたければ俺を倒していけ?か」

「そういうこと」

俺が言った言葉にゼロスは肯定する。

「分かった。ここは俺に任せてくれ。一瞬で終わらせる」

「一瞬ね・・・どうやってやるんだよ」

ゼロスが笑いながら俺に聞いてきた。

「すれ違いの一瞬だ。覚悟はいいな?」

「なるほどね。やるからには本気で行くぞ」

ゼロスは剣を構えた。

「ああ、行くぜ」

俺も槍を構えた。そして同時に走り、2つの影が交差した。


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