77話
「これでようやく本を見れるな・・・」
「長かったですね・・・」
俺と鎌のぼやき、あの後ゼロスの名演技のお陰で俺達の指名手配は解かれた。
「とりあえず、手分けして探そうぜ」
ロイドが言った。俺達はそれに従ってみんなで手分けして本を探すことにした。
「これか?これだな」
俺が取った本がどうやら当たりだったみたいだな、天使言語で書かれてるからあまり読めないけど。
「どうやらそのようね」
俺がリフィルに渡した。
「ええっと・・・マナの欠片とジルコンをユニコーンの術で調合させてそこにマナリーフを結ぶルーンクレストを作成した・・・」
「なるほど、つまりマナの欠片とジルコンとマナリーフがあればいいんだな、急いだ方がいいだろうな」
俺がそう言った。リフィルは頷いた。
「ええ、本によると後数ヶ月程度で・・・」
「死ぬんですね」
リフィルの言った言葉をコレットが引き継ぐ。
「後は材料だな、マナリーフはヘイムダールにあると本に書いてあったはずだ、後はジルコンとマナの欠片か・・・」
俺がそう言うとリーガルが口を挟んだ。
「ジルコンは以前我が社で扱っていたはずだ。レザレノ本社に行けば資料の保管場所と在庫が分かるだろう」
「後はマナの欠片か・・・多分デリス・カーラーンだろうな、マーテル教の経典に一文にそれらしきことが書いてあるからな」
「んじゃ、それは後回しでいいんじゃないのか?」
ゼロスが言う、確かにそうだな。いきなり敵地へ乗り込むのは得策じゃない。
「そうだな、それじゃあジルコン入手組とマナリーフ入手組で分かれるか。そっちの方が早いからな」
俺の意見に反対意見は出なかった。
「俺はジルコンの方に行く、マナリーフの方はロイド、頼んだぞ」
「ああ!」
ジルコン組は俺、鎌、奈菜、リーガル、しいな、プレセアの6人。
マナリーフ組はロイド、ジーニアス、リフィル、ゼロス、コレットということになった。
「えっと、ジルコンの最終出荷先は・・・」
俺が確認しようとした時何かが出荷先が書かれた紙を奪っていった。くちなわか。
「またお前か、いい加減しつこいぞ」
俺がくちなわに対して言った。
「後、それ返して貰おうか」
「断る!」
くちなわは強くそう言った。かなりしつこい野郎だな。
「くちなわ、そんなにあたしが憎いのかい?」
しいながくちなわに聞いた。
「当たり前だ・・・」
「そこまで言うなら一騎打ちでもすればいいじゃないですか」
鎌が口を挟む。くちなわがそれを聞いてなるほど、とうなずく。
「それなら里の掟にしたがってあたしと一騎打ちをしよう」
「いいだろう、これはその証として持っておく」
くちなわがそう言って去ろうとする所を俺が呼び止めた。
「いや、それだけはダメだ。代わりにこれを持っていけ」
俺がそう言って俺のお守りを渡した。くちなわはそれを持って去っていった。
「いいのかい?」
しいなが聞いてきた。お守りのことだな。
「気にするな。それよりジルコンを入手しにいくぞ、一騎打ちはその後だからな」
俺はそういいながらジルコンの出荷先を調べた。