76話
「あれは・・・」
メルトキオの下水道の出口付近でロイドが突然呟いた。なるほど、ヴァーリがいるな。
「どうやらあいつらの話を聞くと王に毒を盛ってるのは教皇らしいな・・・」
俺がみんなに話す。
「それなら国王をここで助けましょう。そうすれば・・・」
「恩が売れるってわけだな」
鎌の言葉をゼロスが引き継いで答えた。そして俺達が飛び出し、ヴァーリと教皇騎士が驚いた。
「な、お前ら!」
「話は聞かせてもらった」
驚く2人を見て俺が言った。
「くっ、冗談じゃねぇ!」
ヴァーリはそう言って教皇騎士を俺達の方へ押し、逃げようとした。
「させるか!」
「させん!」
「させません!」
俺とリーガルとプレセアが同時に飛び出し、俺が教皇騎士を倒し、リーガルとプレセアはヴァーリに向かって行った。
そして2人の攻撃を受けたヴァーリはそのまま息絶えた。
「これで後は教皇だけだな、まずは問い詰める必要があるな」
俺がそう言って足早に下水道を抜けていった。
「遅かったな」
教皇が俺たちに向かっていった。俺達の方を見ていないので誰が分かってないみたいだな。
「そりゃどーも」
ゼロスが答えた。教皇は驚いて俺達を見て後ずさる。
「な・・・お前達、どうしてここに・・・」
「お前に聞きたいことがある。王様に毒を盛ってるな、解毒剤はどこだ」
俺が槍を首に突きつけ、教皇に言った。
「し、知らん!そんなことしていない!」
教皇はとぼけるが俺がさらに問い詰める。
「嘘をつくな、このまま槍で首を突きぬいてやろうか」
「う・・・そこの机の中だ・・・」
教皇が青ざめながらそう言った。
「ありました〜」
コレットが解毒剤の入った瓶を見つけて声を上げた。と、教皇が俺の槍を払って逃げようとした。
まあこのまま逃がしてもいいけどな・・・。
「今兵を呼んだ、すぐに騎士団が来る。ここで神子が死ねば名実と共に私の物だ」
そう言って教皇は隠し扉から逃げていった。すぐに兵が集まってきた。
「ここは逃げるぞ!こいつらは俺に任せとけ」
俺はそう言って槍の先を騎士に向けた。