73話

「そうじゃったか・・・クルシスの天使様がハーフエルフだったとは・・・」

ファイドラがそう呟いた。因みにロイド達も村に入っている。村長にはクラトスの一括と鎌の脅しで入れることになった。
詳しくは言わないが・・・。

「ばーさん、このことは村のみんなに言わないでくれ。きっと混乱して大変なことになる」

ロイドがファイドラに言った。

「そうじゃな、救いの塔も消えてしもうたし、今はそんな話は出来まいよ」

「魔道砲の威力が強すぎたのかな?」

ジーニアスの意見にクラトスが否定する。

「いや、塔の出現を司るクルシスのコアシステムに狂いが生じたのだろう。実害は無い」

「いや、最後の部分は違うな」

俺が否定した。

「救いの塔が消え、大地がああなった以上再生の失敗と考えられるだろうな」

その言葉をリフィルが引き継いで言った。

「神子の責任が追求されるわね・・・」

「コレットさんが可哀想です・・・」

プレセアが呟いた。

「牧場に捕まってた人が心配だな・・・」

俺もそう呟いた。ロイドは席を立ち

「俺、村の様子を見てくるよ」

「俺達もついていく、ロイドだけで出歩くのはやばそうだからな」

俺がそう言って席を立った。

「私はここに残る、みんなで行ってくるといい」

クラトスがそう言って残った。

 

「あれは・・・?」

俺が学校の方を見て呟いた。何やら村長が村人を集めて話している。あれか・・・とことんまでムカつく奴だ・・・。

「まったくけしからん!追放した者が勝手に村に戻り、神子は盛大に再生に失敗した!こんな厄介者どもまで村に引き連れてきた!」

「相変わらずだなぁ・・・」

ジーニアスがポツリと言った。さらに村長は話し続ける。

「おまけにエルフだと思っていた連中はディザイアンと同じハーフエルフ!村を襲った手引きをしたのもあの2人に決まっている」

「な、何だと!」

それを聞いたジーニアスが反論した。

「そ、村長。さすがにそれはないんじゃ・・・」

「何を言う!」

反論した村人に怒鳴るように村長が言った。

「こいつらはハーフエルフだぞ!ディザイアンの連中が我々に何をしたか忘れたのか!」

もう我慢出来ないな・・・。


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