67話
「勝者!翔!」
アナウンサーの声が響いた。俺はそれを聞いて控え室に戻る。
「ふう、これで次が決勝戦か」
あれから3日たった、俺が勝ち進んだせいでここを離れるに離れられなくなってしまい、俺と奈菜だけメルトキオに残っている。
ロイド達はケイトを助けシャドウと契約に向かっている。
「お疲れ様です」
「ああ、ありがとよ、次が決勝戦か・・・」
俺が休みながら言った。
「30分後に決勝戦だな、相手は・・・」
俺は対戦表を見て確認した。どうやらタカヒロという名前らしい。
「さて、行って来るか」
「がんばってくださいね」
「ああ」
俺はそう言って闘技場の対戦場に入っていった。アナウンスの声が聞こえてくる。
「さあ!ミトス杯もいよいよ決勝戦、まずは西側、槍、弓、体術とさまざまな技を使用して戦う技巧派戦士、日向翔!」
歓声が上がり、俺が入る。
「そして東側、レイピアを使い的確に相手を戦闘不能にする剣士 グルース=タカヒロ!」
対戦相手、タカヒロが入ってくる。
「それではミトス杯決勝戦・・・開始!」
まず俺は槍を出して戦い始めた。レイピアと槍、似たような武器だが槍のほうが先に相手を捉える。
「くっ!」
タカヒロもそれを分かっているのかあまり積極的に攻めてこない。だったらこっちから攻めるまでだ。俺は即座に弓を取り出し、
「いまだ、疾風!」
矢を5本放った。しかしこれは牽制、相手が矢を払っている隙に懐に入り込む。
「トライデント・アーツ!」
得意の3段蹴りを放つがタカヒロは1発目をガードしながらバックステップをして残りをかわした。
「なるほど・・・やるな、だが、これならどうだ!」
タカヒロが一気に突っ込んでくる、準々決勝で見せた幻影を出す技を使ってきた。
「甘いな!」
俺は槍を支点にして飛び上がり術を使った。
「幻影ごとまとめて攻撃すればいいんだよ!サンダーフレア!」
俺が術で幻影ごと一気に攻撃した。ちなみにこれが闘技場で初めて術を使ったので歓声が上がる。
「ちっ、そんな攻撃で負けられるかよ!」
タカヒロは立ち上がった。面白い、久々に歯ごたえのある戦いが出来そうだ。