63話
「ユアン、すまないな・・・」
俺がそう言って出て行った。あの後ボータ達は俺達を逃がすために犠牲になった。
犠牲の上に生かされるか・・・やっぱり苦しいものだからな。
「とりあえずミトスをアルテスタさんの所に連れて行ってやらないとな。給油も終わったみたいだし、一度テセアラに行こう」
俺がそう言ってレアバードに乗り込んだ、他のみんなも続く。
「それじゃあ、元気でな」
「うん、ありがとう。僕も、プレセアの妹の仇が見つかるように祈ってるよ」
ミトスのその言葉を聞いたリーガルが尋ねた。
「プレセアの妹の仇?それはいったい何の話だ?」
「ああ、それは・・・」
「あー!」
ロイドが説明しようとした時不意にゼロスが大声を出した。ゼロスはもうこの時リーガルの正体知ってるからな、
「何だよいきなり」
ロイドがゼロスに聞いた。
「い、いや、俺達は楔を抜くっていう大きな使命があるし。無理にリーガルに説明しても・・・」
ゼロスがしどろもどろになりながら説明する。
「何言ってるんだよ、プレセアの妹は殺されたんだぞ!」
ジーニアスが怒りながらゼロスに言う。
「殺された?」
リーガルが鎌に聞く、たぶん一番冷静だったからだろうな。
「ええ、プレセアの妹はブライアンという貴族の人に仕えていたそうです。でもそのブライアンという人に殺されたみたい何です」
「プレセア、その妹の名前は何と言う」
リーガルがプレセアに聞いた。
「アリシア・・・です」
「そうか・・・」
リーガルはそれを聞いて一瞬、顔を歪めた。
「その殺人鬼に心当たりがある。すまないがアルタミラに連れて行ってくれないだろうか?」
「分かった」
ロイドがそう言ってレアバードに乗り込んだ。
「リーガル、正体を明かすみたいだな」
「翔、鎌、それに神子か。ああ、私はこの時を待っていた」
「だけどな、あんたは戦力としてはでかい、そいつは忘れるなよ」
ゼロスがそう言ってレアバードに乗り込んだ。俺達も続く。
「何だこれは・・・」
ロイドが驚いて声を上げた。そこはまるで、強盗に入られたようだったからだ。