61話

「パルマコスタの人間牧場が復活してるなんて・・・急いで様子を見に行かないとな」

ロイドがぼやいた。俺達はシルヴァラントに戻って今はパルマコスタ人間牧場に向かっている。

「そろそろ着くぞ」

俺がそう言ってレアバードを降りた。そして中に入る。

「お前らは、そうか。パルマコスタの人達はディザイアンとレネゲートの区別がつかないんだったな」

俺がそう言った。何故なら俺達の前にいるのはディザイアンじゃなく、レネゲートだからだ。

「お前達を待っていた」

ユアンが切り出した。

「私達を、どういうことだ?」

リーガルが聞いた。

「単刀直入に言う、我らと手を組まないか?」

「それで、僕達にはどんな利点があるのですか?」

鎌が聞き返す。

「もちろんある」

ユアンが言う。

「もしこれが成功すればお前達の望むことが出来る」

「なるほど、どんなことですか?」

鎌が問い詰める。

「大樹カーラーンを知ってるな?」

「うん、確か聖地カーラーンにあったていう、伝説の大樹だよね?」

「無限にマナを生み続ける木ってやつだろ。でもそれっておとぎ話だろ?」

ジーニアスとゼロスが答える。それをユアンは否定した。

「違う、大樹は実在した。しかし今は古代戦争によるマナの枯渇で枯れ、聖地カーラーンに種子を残しているだけだ。
 そしてそれを我々は大いなる実りと呼んでいる」

そしてボータが続ける。

「2つの世界を1つに戻すためにはその大いなる実りが必要だ」

「2つの世界を1つに戻す?どいうことだ?」

ゼロスがユアンに聞いた。

「前にも言ったはずだ、この2つの世界を作ったのはユグドラシルだと。元々世界は1つだった。
 そして2つの世界は大いなる実りからわずかに滲み出るマナを奪い合って共存している。
 しかし大いなる実りが発芽すればそれも終わる。大樹が復活するのだからな。世界はあるべき姿に戻る」

「それで、何故俺達の力を借りたいんだ?」

俺がユアンに聞いた。ユアンの答えは簡単だった。

「楔だ、お前達が精霊と契約するごとに楔が抜けている。それがすべて抜くのが大樹を復活するために必要だ」

「ユアン、お前はクルシスなのか?それともレネゲートなのか?」

ロイドが聞いた。

「私はクルシスであり、レネゲートの党首でもある」

「獅子身中の虫というわけか、ところで手を組む場合レアバードの空間転移のためのエネルギーを給油してくれるか?」

「いいだろう」

俺の言ったことを承諾した。

「分かった。手を組もう」

ロイドが答えた。

「ならば早速頼みたい、今はレアバードのエネルギーを給油出来なくなってるからな。
 今から我々はロディルの牧場に潜入する、それを手伝ってくれ。準備が出来たらボータに声をかけてくれ。後は頼んだ、ボータ」

そう言ってユアンはどこかに去っていった。


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