60話
「姉さーん!」
ジーニアスがリフィルを見つけて呼んだ。それに気づいたリフィルは驚いていた。
「みんな・・・どうしてここに・・・」
「みんなリフィルさんがいないことに心配したんだよ、どうしてここに1人でここに来たんだ?」
俺がみんなの分の意見と質問をした。
「ええ、ここは私が捨てられていた場所だから」
「先生達はシルヴァラントの生まれじゃないのか?」
ロイドが聞くが、リフィルは否定する。
「いいえ、私はエルフの里で育ったの。
でもジーニアスが生まれてすぐ何がきっかけだったのかは覚えていないけど、私達は疎まれて、ここに捨てられた。
そしてその時に異界の扉が開いて、黄泉の国、シルヴァラントに流れ着いた・・・」
リフィルがそこまで説明した時別の場所から声が聞こえた。
「では、今度こそ黄泉の国に送ってやろう」
声の主はおろちの弟であるくちなわだ、後ろには教皇騎士団達がいる。
「くちなわ!いったい何を言い出すんだ!」
しいなが驚いて聞いた。
「ようやく好機が巡ってきた。今こそ両親の仇、取らせてもらう」
そう言い、教皇騎士団が近づいてきた。数は100を越えてるな・・・ザコの集まりとは言えこれはきついな・・・。
「両親の・・・仇・・・」
「そうだ、お前がヴォルトを暴走させたために巻き込まれて死んだ両親と、仲間のためにも、お前には死んでもらう」
そう言ってくちなわも短刀を取り出した。
「待て!あれは事故だったんだろ!」
「事故・・・だと」
くちなわの口調が変わった。相当怒ってる状態だな。
「こいつは精霊と契約出来ない出来損ないならまだ我慢もしたさ!
それがどうだ!シルヴァラントの神子に失敗してミズホを危機に陥れ、そのくせ本人はちゃっかりヴォルトと契約しやがった!」
「ざけんじゃねぇ!」
そこまでくちなわが言った時俺が叫んだ、もう我慢ならねぇな。
「テメェはグダグダ言いやがってよ!里の奴らは俺達に全面協力するって誓っただろ!
テメェ1人だけバカなこと言ってるんじゃねぇよ!この裏切り者が!」
「うるさい!」
そう言って俺の言葉を黙らせ、合図を送った。教皇騎士団が少しずつ近づいてくる。
「来るなら来い、フルパワーですべて消し去ってやるよ!」
俺がそう挑発した。そして精神集中を始めた。と、その時しいながくちなわに言った。
「くちなわ、あたしが憎いんだろ。だったらあたしだけ殺せばいいじゃないか!」
そう言ってしいなが前に出た。
「いいだろう・・・」
そうくちなわは言い、刀を引き抜いた。と、その時異界の扉が開いた。
「冗談じゃねーぞ、アホしいなが」
ゼロスがそう言ってしいなを引っ張り異界の扉に入った。
「ゼロスに続け!今はそれしか逃げる手段はない!」
俺が言うや否やみんな異界の扉に入っていった。俺が最後に入り、異界の扉は閉まった。