42話
「さて、どうする?」
プロネーマ達が去ったフウジ山脈の頂上でゼロスが言った。
「ああ、これ以上誰かを犠牲にする仕組みなんて変えてやる!」
ロイドが力強く言った。
「そうだな、だけどまずはプレセアを家に帰してやった方がいいんじゃないか?」
俺が言った。プレセアもうなずいた。
「だけど今は橋が上がってるから渡れない。どうするんだ?」
「ああ、それなら俺様に考えがある」
ゼロスが提案した。
「本当ですか?さっきもあなたの提案であんなことになりましたけど」
「う・・・」
鎌の鋭い突っ込みでゼロスは言葉に詰まった。仕方ないので俺が助け舟を出すことにした。
「まあ今は何も手段がないし、藁にもすがる思いで行こう」
「そうですね」
「おいおい翔君〜それはちょっと酷すぎないか」
ゼロスが何か言ってるが無視。
「コレット」
山を降りようとした時ロイドがコレットに声をかけた。
「何?」
「お帰り」
「うん、ただいま、ロイド!」
「初めっからおとなしくしてりゃいいんだよ!」
山を降りた時に襲ってきた魔物を一撃で倒して俺が言った。ちなみに前の異世界の仲間のセリフを真似してみた。
「安らかに眠れ・・・なんてな」
ロイドもクラトスの真似しているが・・・正直似てないな。そうこうしているうちにメルトキオに着いた。門は閉鎖されてるけど。
「神子様、何故ここに!早くお逃げください」
「ああ、悪いけど向かう所があるからな。大丈夫よ〜俺様そんなヘマしないから」
俺に言わせればかなり心配なんだけどな・・・。
「ところでどうやって入るんだ?門からは入れないだろ」
「その点はお任せあれ〜、こっちから行くんだ」
ゼロスはそう言って下水道の方に向かっていった。そういえば下水道から行くんだったな・・・。服が臭くなりそうだな。
「ここから町の中に戻ることが出来るんだな?」
「おうよ〜この町は夜になると門が閉じられるんだ。だからいつもここを通って帰るのさ〜」
お前夜まで何してるんだよ・・・。まあいい、突っ込むことさえ面倒になってきた。
どうやら鎌も同じ考えらしくさっさと下水道の中に入っていった。