38話
「コレット・・・遅くなったけど、これが俺からの誕生日プレゼントだ・・・」
ロイドはそう言って要の紋をクルシスの輝石にはめ込んだ。
「コレット、俺が分かるか?」
ロイドが呼びかけるが反応はなし。感情はまだ戻らないか。
「だめか・・・これからどうするんだ?」
俺がロイドに聞いた。ロイドは少し考えてから
「親父に見てもらおうと思うんだ。親父なら俺よりもいい要の紋が作れるはずだから」
そこにゼロスが口を挟む。
「おいおいおい、ちょっと待てよ。肝心なことを忘れるなよ。
お前らは今俺様の監視下にあるんだぜ?シルヴァラントに返すことなんて許すわけないだろーが」
「あら?それならあなたもついてくればいいのではなくて?」
リフィルがゼロスに言う、ゼロスは考え込むがリフィルの追撃が入る。
「慈悲深い神子様はフェミニストでいらっしゃるようだから。
よもや、エクスフィアに寄生されて苦しむ少女を見捨てたりはしないと思うのだけれど?
まさか、王家の密告するなんて言わないわよね?」
「そこまで言われるとな・・・。よし、シルヴァラントの女性に俺様のことを教えるためにも、同行しようじゃねぇか」
「そこまでです、神子様!」
ゼロスがそう言ったとき、どこからか騎士が現れた。服装から察するに教皇騎士団だな、あの僻みじじいが・・・。
「マーテル教会は、あなたが反逆罪を犯したとし、一切の権利を剥奪します。おい、確認しろ」
そうして教皇騎士団が俺達を何かを使って調べ始めた。ハーフエルフかどうか判別する奴だな。
「適合しました!」
リフィルとジーニアスを調べていた騎士が声を上げた。
「だとすると、2人はハーフエルフか」
「何!先生とジーニアスはエルフだ」
ロイドが声を上げるが、リフィルが自白した。
「いいえ、私たちはハーフエルフよ」
「姉さん!」
「いまさら隠してもしょうがないことだわ」
「ハーフエルフが図々しい身分詐称だな。2人をメルトキオに連れて行け」
そうして2人が見えなくなると残った騎士は俺達に言った。
「神子様と残った連中は2人の刑が執行されるまでここに地下に監禁させていただきます」
「・・・ふざけないでくださいよ」
鎌がそう言って剣を抜き、1人の騎士の心臓を一撃で貫いた。・・・そう言えば・・・あいつ。
「鎌、よく言った。ロイド、お前達は後で来い、俺と鎌は2人を連れ戻してくる!」
俺もそう言って槍を抜き、騎士を払って鎌と駆け出した。因みに槍はメルトキオで買った物だ。