37話
「よ、お待たせさーん」
ゼロスの声がした。あの後いろいろとごたごたしたが、結局サイバックにある研究所に向かうことになった。
「サイバックまでにはこの道に沿っていけば到着する。2日ほどあればつくぜ」
俺達はゼロスの説明を受け、道に沿って進んでいった。
「そんなわけでー、俺達のニックネームを決めようと思う」
野営中にゼロスが言った。あのスキットか・・・まあほうっといておくか。ロイドとか興味示してるみたいだし。
「まず俺がゼロス君、コレットちゃんが天使ちゃん、プレセアちゃんがおちびちゃん」
「ふんふん」
「ロイド君がお前、ジーニアスががきんちょ」
「僕らの所だけ適当だね」
ジーニアスがロイドにぼやく、まあこの辺はゲーム通りだし気にしなくていいな。
「んで翔君が雷の弓使い」
おいおい・・・さっきの戦いの結果かよ・・・。
「後鎌君がむっつりで・・・」
おい・・・ゼロス、お前命が惜しくないのかよ。
「ほう・・・」
やっぱり・・・辺りの温度が何か急に寒くなってきたな・・・。
「ゼロス・・・あなたは命が惜しくないんですか?」
「あー、ゼロス。鎌がキレたら俺達でも止められないから」
俺が一応ゼロスに注意した。焼け石に水だと思うけど。
「え・・・ちょ、ちょっとタンマ!冗談だよ冗談!」
ゼロスがそう言うが鎌は魔術を使用し、ゼロスの髪が少し散った。
「僕も冗談ですよ」
鎌は笑顔でそう言ったが・・・。うそつけ、殺る気まんまんじゃないか。
「さて、ニックネームはこれくらいにしといてさっさと休もうか。それじゃ!」
ゼロスはそう言ってさっさと休んでいった。
「ここがサイバックだ、王立研究所はこっちな〜」
昨日あんなことがあったのをすっかり忘れたようにおちゃらけてるな。まあいいけど。
「サイバックか・・・読んでみたい本がたくさんありそうですね・・・」
「そうだな。でも今は時間無いからな」
鎌は読書が趣味だからな。俺もある程度そうなんだけど。
「学園都市か・・・気がめいるな」
「ロイドは勉強が嫌いだからね」
こちらはロイドとジーニアスの会話。
「すばらしい!研究材料がこんなにも!」
これは言わずもがな、とにかく研究所に行くか・・・。