33話
「ここは・・・」
お、ロイドが目覚めたな。
「ここは、トリエットの近くの基地だ、ほら。俺らが捕まってた所だ」
ロイドには俺がそう言っておいた。その説明を鎌が引き継いだ。
「とりあえず状況を整理しますね。
僕達はあのユグドラシルの圧倒的な力に敗北した後ここのディザイアンによく似た集団、レネゲートに助けられました」
「つまり・・・ここの集団はディザイアンと違うのか?」
「ええ、ここの集団はディザイアンと敵対しているらしいです」
鎌がそこまで説明すると扉が開き、レネゲートが入ってきた。
「お目覚めですか?それでしたらこちらの部屋へどうぞ。我々のリーダがお待ちです」
俺達が隣の部屋に行くとボータ、そしてユアンがいた。
「ようやく目覚めたか」
「お前らがレネゲートなのか?」
ロイドがユアンに聞いた。
「我々はディザイアン・・・いや、クルシスに対抗するための地下組織だ」
「じゃあ、クルシスとディザイアンは本当に同じ組織なのか?」
「その通りだ。クルシスは表でマーテル教会を、裏でディザイアンを統べている。ディザイアンはクルシスの下位組織だ。
そして天使も所詮はクルシスの輝石と呼ばれる特殊なエクスフィアを装備して進化したハーフエルフに過ぎない」
「天使もハールエルフだったのかい・・・」
しいなが驚いたように呟く、俺もここで少し驚いたな。
「つまり・・・」
ロイドが結論を出したように言う。
「悪いのはハーフエルフ自身じゃないってことか。
ディザイアンのような奴もいればあんた達のように連中に敵対している連中もいるんだからな。だけどクルシスは何が目的なんだ?」
「マーテルの復活だ」
ユアンが言った。
「しかし、我々の目的を果たすために最も重要なものは、既に我らの手中にある。もう神子など・・・必要ない」
そう言うと兵士がたくさん出てきた。
「我々に必要なのは貴様だ、ロイド!」
しかしその瞬間コレットに羽が現れ、浮き上がり、天使術を使った。ユアンのセリフに反応したのか?さすがにそれはないか。
「くっ、このような場所でジャッジメントを使うとは、ロイドも防衛対象に入ってるのか!」
「チャンスだ、今のうちに逃げるぞ」
俺が言うなりみんなは飛び出していた。