32話
「なるほど、俺達をだましてたんだな」
俺がクラトスに言う。しかしクラトスは顔色1つ変えず俺達に言った。
「騙すとは?私の仕事は神子を護り、世界を再生させることだ。そして神子がマーテルと同化できれば世界は救われる」
「何言ってやがる!コレットを渡すものか!」
ロイドはそう言い、剣を抜いた。俺達も武器を構える。と突然別の場所から声がした。
「クラトス、あの2人の・・・相手・・・私がするよう・・・言われた」
クラトスのそばに1人の少女が下りてきた。
翼を持ってる辺り天使だと思われるがその翼の色が異形だった。なぜなら翼の色が漆黒だからだった。
「ふむ、シリカか。分かった。任せよう」
それを聞くなりシリカと呼ばれた天使は俺達に向かってきた。
「なるほど、俺と鎌という訳か。鎌、行くぞ!」
「ええ」
俺と鎌はシリカを挟むような位置を取った。
「倒す・・・」
シリカはそう言うと突然カマを取り出した。大きさは2メートル近い。
「鎌、一気に行かないとやばいぞ」
「分かってます。行きますよ!」
俺と鎌が一気に攻撃を決めようとすると。
「邪魔!」
シリカはカマを振り回し。俺に攻撃してきた。何とかすんでの所でかわしたが・・・。
「くそっ!疾風!」
俺は矢を連射するがすべてカマに切り刻まれた。同時に鎌も刃を飛ばすがそれをも跳ね返した。
「まずいですね・・・」
「物理は効かないのか。やっぱり槍がないとな」
俺達が苦戦しているとまた別の声が聞こえた。
「シリカ、もういい」
突然現れたのは明らかに格が違う天使だ。シリカはカマをしまい。
「ユグドラシル様・・・」
「シリカ、ここはもういい」
「分かりました・・・」
そう話すとシリカは去っていった。一難去ってまた一難って所だな。今ユグドラシルと戦っても勝てる見込みはない・・・。
「我が名はユグドラシル、クルシス、そしてディザイアンを統べるもの。哀れなお前達に力の違いを見せてやろう」
ユグドラシルが手を上げると祭壇から剣が現れた。エターナルソードか・・・まずい。
「ぐぁ!」
誰の声か分からないが圧倒的な力で吹っ飛ばされ俺の意識は途切れた。