11話
「ロイド、大丈夫か?」
「ん・・・ここは?」
ロイドがようやく目を覚ました。
「トリエットの近くにあるディザイアンの建物です」
「さて、脱出するぞ」
「そうだな。でもどうやって?」
そうだな・・・まあロイドが持ってるソーサラーリングがあれば何とかなるだろう
「まずはそのソーサラーリングを使ってあのディザイアンを追っ払いましょう」
「任せな、行くぜ!」
「しかしわけの分からない物が多くて疲れるぜ・・・」
「そうか?俺に取っちゃ慣れ親しんだものばかりだけどな」
まあ以前迷い込んだ世界に比べりゃな・・・。
「まあ翔がいろいろ操作してくれてるみたいですから行きましょう」
お前な・・・まあそれだけ俺が機械が得意だってことだな、自慢することじゃないが。
「後はここだな、えっと・・・なるほど、こうすればいいな」
俺はあっさりと操作する。以前の世界のやつに比べればかなり簡単だ。そして少し進むとディザイアンに見つかった。
「やばい、逃げるぞ!」
「そうですね」
本当は戦っても余裕なんだけどな・・・。まあロイドがすぐ近くの部屋に逃げたので俺達もその部屋に入った。
「ふう、危なかった」
「いや、それは違いますね」
ロイドは扉の方を向いているが俺と鎌は別の方向を見ていた。そこには1人の男がいたからだ。確かユアンだったかな?
「何者だ!」
「うわ!何だこいつ」
「人に名前を尋ねる時にはまず自分から名乗ってください」
上からユアン、ロイド、鎌の順だ、鎌・・・何ロイドのマネしてるんだよ。
「ふ、生憎と貴様らのような下賎の奴らに名乗る名前など持ち合わせてない」
「俺も自分がバカだって知らない能無しに持ち合わせてる名前なんか無い」
相変わらずロイドは強気だな・・・。挑発とも言うか。
「貴様・・・」
挑発に乗ったユアンの手にかざしていた雷球がどんどん強くなってきた。
しかしユアンはロイドの左手のエクスフィアを見るとふと雷球を止めた。
「そのエクスフィア・・・貴様がロイドか!・・・なるほど、面影があるな」
「面影?どういう意味だ?」
面影・・・ね、母じゃなくて父のことを言ってるんだよな。すると突然俺達の後ろの扉が開き、そこからボータ達が来た。
「ボータ、そいつがロイドだ」
ユアンの言葉を聞いたボータは口元をニヤリと口をゆがませた。
「ほう・・・それは傑作ですな」
ユアンは奥の扉を開き、ボータに言った。
「ああ、私は一旦引く、このことが知られたらすべてが水の泡だからな」
「神子の処遇はどうしますか?」
「お前に任せる」
それだけ言うとユアンは逃げていった。生憎と俺や鎌はすべての計画を知っているけどな。
「・・・了解しましたぞ」
「さて・・・ロイド、どうする。敵の場所だからこっちがやや不利だぞ」
俺がロイドにささやいた。
「そんなの関係ない、敵は倒すのみだ」
そして戦う直前にまた後ろの扉が開いた。そこにはジーニアス達がいた