10話


「勢いで村を出て行ったのはいいけど・・・どこに行くんだ?」

ロイドが俺に尋ねてきた。まったく、あいつの話を聞いてなかったのか。

「あの天使が言ってただろう。南にある火の封印だって。だから南にある村で情報を聞けばいいんだよ」

俺はそう言って歩くスピードを速めた。急がないと追いつけないからな。

「あぢぃ・・・しかも砂漠の敵は強いしよ・・・嫌になるな・・・」
またロイドがぼやいてた。まあ砂漠は暑いからな。

「早くどこかで休みたいよ・・・」
「まあジーニアスの服装だと砂漠は辛いですからね。
 砂漠を歩く時は風通しのいい長袖長ズボンを着て日に当たる部分を減らした方がいいですからね」
「そうなのか!」

鎌の説明にロイドが聞き返す。確かにその通りだからな。

「さて・・・町に着きましたね」
「早速情報を集めないとな」

俺と鎌はばててるロイドをジーニアスに任せて先に情報収集に行った。

「似てないな・・・」
「似てないね」
「似てませんね」
「そうだな」

上からロイド、ジーニアス、鎌、俺の順だ。
ちなみに俺たちが見ているのはロイドの似顔絵が描かれた指名手配書だ。

「とりあえず情報も得たからな。早速行くぞ」

そうして俺たちが町を出ようとすると突然呼び止められた。
レネゲートだ、ただし話の都合上ディザイアンとしておく。

「なあ、こいつ似顔絵に似てないか?」
「そうだな。どれどれ・・・」

ディザイアンは持っていた指名手配書を見て確認したのち再び顔を上げて

「確かにそっくりだな」
「・・・」

ロイドは顔に手を当てうつむいていた。相当飽きれてるみたいだな。

「ふふふ、そっくりの手配書を出されては手も足も出ないと言った所だな」
「本気で怒るぞ」
「よし、捕らえるぞ!」

こうしてディザイアンが襲ってきたが所詮は単なるザコ、一瞬のうちにケリがついた。

「余裕だぜ」
「そんなこと言ってると痛い目見るよ」

ジーニアスが注意を促したその時、ロイドの後ろに雷球が直撃した。

「見ましたね」
「よし、捕らえろ!」
「あれは・・・あの2人も捕らえる指示が出てたはずだ!」

俺達もか・・・まあここはあっさり捕まった方がいいな。
俺はそう思い武器を捨てた。鎌も同じことを考えたらしく武器を捨てた。

「俺達は投降する。ただ、こいつだけは逃がしてやってくれないか?」

そして俺はジーニアスに囁いた。

「うまくコレット達と合流してくれ」
「分かった」

ジーニアスも俺に囁き返した。しばし考え込んでいたディザイアンは

「いいだろう、お前達もついて来るならな」
「その点は問題ありません」

こうして俺と鎌とロイドはディザイアンに連れてかれた。


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