9話
「何だこの手紙・・・まるで遺書じゃないか!」
ロイドがコレットの家で叫んだ。
昨日コレットからは昼出発と聞いていたが実際は朝早く出発していてそれをジーニアスが伝えに来て急いで村へ来たと言うわけだ。
「遺書か・・・そうかもしれないな」
「遺書って、どういうことだよ!フランクおじさん」
「実は村の皆にも隠してたことがあるんだ・・・コレットは、神子様はもう・・・」
フランクがそこまで言うと外で突然爆音が響き渡った。ディザイアンが襲撃に来たな・・・。
「ロイド・アーヴィング!出て来い!」
それを聞いたロイドは外に飛び出した。
俺たちも慌てて後を追った。外に出ると村は火の海となっていた。
「何だよ・・・これ」
「ディザイアンだな、あれがばれたんだろう。とにかくあいつらの所に行ってみるしかないだろう」
呆然としていたロイドに声をかけて俺たちは村の広場へ向かった。
そこには案の定ディザイアンたちがいた。
「やめろ!ディザイアン!」
ロイドはディザイアンを見つけるなり剣を抜いて言った。
「お前がロイド・アーヴィングか」
「人に名前を尋ねる時は自分から名乗れ!」
相変わらず強気だな。
「フ、いいだろう。聞け!劣悪種ども!我は五聖刃の1人、フォシテス!」
「五聖刃だって!」
「それで?」
ロイドは驚くが俺は誰?とも言わんばかりに返した。
「何だお前は・・・そうか。ロイドと共に映像に写ってた劣悪種か」
「写ってただと!」
「やっぱり、門の前にあるやつ。あれが映像記憶装置だったんですね」
ロイドは知らないからな。鎌や俺はすでにゲームで知ってるから問題なしだ。
「劣悪種か・・・それじゃあその劣悪種に殺されな!」
早速俺は駆け出して弓を出し、矢を構え
「消えな、豪烈!」
「なっ、なるほど・・・戦う価値はありそうだな、しかし相手をするのは私ではない。お前らにぴったりな相手を用意した!」
フォシテスは俺の矢をあっさりかわして何かを呼んだ。
そして出てきたのは・・・説明するのが難しいな。とにかく異形の者が出てきた。
「何だこいつは!」
「とにかく戦うしかないよ、ロイド。行くよ!」
「ああ」
「俺たちもフォローする」
こうしてロイドと鎌が前衛で、俺とジーニアスが後衛として戦うことにした。俺は武器の関係上だからな。
「これで決めますね。空襲剣!」
鎌が最後決めた。先を知っていると言うことはやっぱりつらいこともあるな・・・。
「全然制裁になってないな!フォシテス」
ロイドがフォシテスに向き直った。よく言うよ、さっき俺から回復受けたくせに。
「くっ・・・な!そのエクスフィアは・・・まさかエンジェルス計画のか。小僧!それをよこせ」
少し後ずさってからフォシテスがロイドのエクスフィアを見て声を上げた。
「断る!これは母さんの形見だ!」
「何を・・・お前の母は・・・」
フォシテスがそこまで言うと突然異形の者がフォシテスを掴んだ
(逃げなさい・・・)
「その声、マーブルさん!」
ジーニアスが驚いて声を上げた。
「ええい放せ!この出来損ないが!」
フォシテスが必死に振り払おうするがマーブルは離れない。
(ありがとうジーニアス・・・新しい孫が出来たみたいでうれしかったわ・・・さようなら)
そういうとマーブルがフォシテスを巻き込んで爆発した。爆発の余波がここまで来たが、
「ヒールストリーム」
鎌が即座に回復をした。
「やったのか?」
「いや、まだだな」
爆風が消えたがフォシテスはまだそこにいた。
しかしマーブルはもういなかった。爆発で消し飛んだんだな・・・。
するとコロン、と近くにエクスフィアが飛んできた。ジーニアスがそれを拾う。
「ロイド・・・覚えておけ、お前のその左手にあるエクスフィアがある限り我々はお前を狙い続けるだろう・・・」
そう言ってフォシテスは去っていった。ディザイアンたちもそれに続く。
「これが・・・何だってんだよ・・・」
ロイドはぽつりとそう呟いた。しかしその後後ろから突然怒鳴り声が聞こえた。
「ロイド!」
俺たちが振り返るとそこには村長を含めた何人もの村人がいた。そして村長は話し続けた。
「大変なことをしてくれたな!見ろ、この惨状を!お前のせいだぞ!何で牧場に近づいた!」
「ごめんなさい・・・」
ロイドはうつむきながらそれだけ言った。いや、言えなかったんだな。
「お前がいる限りこの村に平穏は来ない!出て行ってもらおうか」
「いいですよ」
村長が怒り任せに話していることを聞き流すかのように鎌が答えた。
「え!」
これに驚いたのはロイドだった。
「昨日言っただろ、お前らも再生の旅に連れて行くって。だから村にとどまる必要が無いってことさ。
という訳で俺たちは出て行くから勝手にしてな。行くぞ」
そう言って俺はさっさと村を出て行った。こんな胸糞悪い所にいられるか。
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