7話
「ここが人間牧場か・・・」
イセリアとは異質な素材で作られた場所だ、前の世界にはこういう奴は多かったけどな。
「それで、ジーニアスの友達とはどこにいるんですか?」
「えっと、こっち」
ジーニアスについていくとそこには1人のばーさん。マーブルがいた。
「おや、ジーニアス、こちらの皆は友達かい?」
「うん、ロイドと翔と鎌っていうんだ」
「そう・・・よろしくね」
「あれ?おい、ばーちゃん」
するとロイドがいきなり叫んだ、そういえば要の紋なしでエクスフィアつけてるんだよな。
「マーブルさん、だろ!」
「あ、ああ・・・マーブルさん、それエクスフィアじゃないのか?」
「確かにエクスフィアですね」
ロイドが指を刺したところを鎌が見て結論を出す。
「でもマーブルさん。どうして要の紋なしでエクスフィアをつけてるんだ?
紋をつけないでエクスフィアを装着すると体に毒だって親父が言ってぜ」
「体に毒ってどういうこと?」
ジーニアスが焦ったようにロイドに聞いた。その質問は鎌が答えた。
「エクスフィアは肌に直接つけると毒が出て病気になるんです。
でも肌につけないと効果が発揮されないので毒を押さえる役割として要の紋が使われるのです」
「ロイド、何とかならないの?」
「要の紋はドワーフしか作れない特別な技術だからな、ドワーフ族に頼めば可能かもしれない」
今度は俺が説明しておいた。
「それじゃあロイド、ダイクおじさんに頼めないかな?」
「親父か・・・分かった。一応頼んでみる」
「本当!ロイド、ありがとう」
喜ぶのはいいが、本題に入らないのか?
「ところでジーニアス?伝えることがあったんじゃないのか?」
ロイドがそう言うとジーニアスは思い出したかのようにマーブルに話し始めた。
「そうだ、マーブルさん。神託があったんだよ。イセリアの神子が再生の神子に選ばれたんだ」
「これでようやく再生の旅が始まるのね・・・。今度こそ成功してくれるといいけど」
「大丈夫だよ、凄腕の庸兵がついてるし。それに翔や鎌も一緒に行くらしいんだ。2人とも凄く強いし」
お世辞じゃないみたいだな、ロイドはちょっと複雑な表情してるけど。
そうしてしばらく話していると突然声がした。
「そこのババァ、何をしている!」
「いけない、ディザイアンが来るわ!皆逃げなさい」
「でも!」
「お前も捕まるぞ、だから速く逃げろ」
躊躇うジーニアスは俺の一喝で逃げることを決意した。
「酷い・・・」
ジーニアスがポツリとそう漏らした。
あの後ディザイアンをやり過ごしたのはいいが、マーブルの様子が気になったので高台に上って様子を見ていた。
案の定マーブルはディザイアンの鞭を受けていた。
「よし、助けよう!」
「かまいませんが・・・どうやって?」
ロイドが助けようと提案する。俺も一応賛成だな。
「ジーニアス、お前の得意の魔術であいつらを攻撃しろ、俺が囮になる。2人はジーニアスを頼む」
「おっと、そういう類の囮は俺も得意だ。鎌、ジーニアスと共に魔術でフォローよろしく」
「任せてくださいよ」
という訳で魔術組と囮組に分かれて実行することにした。
「それじゃあ行くぜ、ジーニアス、鎌。頼んだぞ!」
「行くよ!」
「ええ」
ジーニアスと鎌の魔術が一気に炸裂した。
鎌も一応炎の魔法使えたみたいだな。
「俺たちも行くぞ、翔」
「任せておけ」
「危なかったな・・・」
「そうですね」
「だな」
あの後ちょっとした事があったがジーニアスと別れ、俺たちはロイドの家に向かっていた。
「まあ顔を見られたやつは倒したし、しっかりと村とは別方向に逃げたから大丈夫だろ」
「多分な・・・」
あの門の前にある記憶装置にばっちりと取られたけどな。
「さて、着いたぜ」
とりあえずロイドの家に着いたのでこのことは考えないで置くことにした。
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