6話


「何だよ!俺たちじゃあ頼りないって!」

聖堂から戻り、コレットの家の前で叫んでいた。

「まあまあロイド、落ち着いて。それに実際僕達は足手まといだし」
「じゃあ何で翔や鎌はいいんだよ、俺も2人と同じ17歳だぜ」
「実力が違うからだろ」

俺は一応家の中で話していたがロイドがうるさいので注意も込めた理由も話すため外に出てロイドに言った。

「う・・・」
「それに俺は体術を使ってるけど本業は槍だからな」

槍があれば体術の数倍以上の実力が出せるんだけど今はないから使えないんだよな・・・。

「後僕達は旅について行きませんよ」

遅れて出てきた鎌がロイド達に言った。

「え?」
「翔の武器がないのでどこかで作る必要があるんですよ。僕も武器持ってませんし」
「だから俺たちはついていかない」

鎌の言葉を俺が肯定した。そもそも体術は実戦で使うのはあれが初めてだったし。

「だから武器を作れるような場所を知らないか?」
「場合によっては何か理由をつけて旅に連れて行ってもいいですよ」
「本当か!」

鎌の言葉にロイドは食いついた。
まあ鎌は口がうまいし、何か理由をつけて行く事は可能だな。

「ああ、だから武器を作れるような場所を知ってるなら教えてくれ」
「任せとけ、俺の親父がドワーフだからそういうのは専門だ」

それは一応知ってるからな、問題は素材があるかどうかだ。

「そうだ、ロイド。僕も友達に会いに行くから一緒に行っていいかな?」
「別にいいぜ」

友達・・・か、運命の輪は静かに回り始めているな。

「それじゃあ行こうか」
「待って!」

俺たちが行こうとするとコレットが突然飛び出してきた、そして勢い余ってすべり転んだ。
コレットらしいな・・・

「大丈夫か?」
「えへへ・・・ごめんね」

コレットがすぐに謝るのは癖だからな。神子らしいといえばそれまでなんだけど。

「そうだ、コレット。誕生日おめでとう」

ジーニアスがコレットに何か小さな袋を渡した。
そういえばこの日ってコレットの誕生日だったんだな。

「教室で渡しそこなったけど、クッキー焼いてきたんだ」
「ありがとう。ジーニアスのクッキー、おいしいから大好きだよ」

誕生日か・・・そういえば俺のポケットにあれが入ってたな。

「それじゃあ俺も旅のお守りとしてこれをやろう」

俺はポケットに入ってた月の紋章が入っているペンダントを渡した。
ムーンクレストってやつだったかな?

「ありがとう」
「気にするな。再生を頑張ってくれよ」

真の意味でだけどな・・・。

「そういえばロイドは?首飾りを作るって言う約束だったよね」
「う・・・」

なるほど、忘れてたな。

「もしかして忘れてたの・・・?」

「馬鹿言うなよ、後ちょっとで完成なんだ。明日出発の前に渡すよ!」
「嬉しい!それなら出発の時間が決まったら教えに行くね」

苦しい言い訳だな。それでもコレットは信じてるみたいだけど。
まあ今日だけで必死に頑張れよ。

「それじゃあ行きましょうか」
「そうだな。ロイド、ジーニアス。行くぞ」

俺たちは村を出てロイドの家に向かった。



Back



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送