4話
「ところで翔、俺たちの素性はあいつらに教えたのか?」
「いや、まだだな」
まだと言うよりは教える暇がなかったんだけどな・・・。
「とりあえずクラトス1人じゃ回復が大変そうだし、俺も回復に行ってくるよ」
俺はそう言って逃げるようにロイド達の回復をしにいった。
ロイドは回復してもらうなり助けに来てくれた2人のことを聞いた。
「ところで2人はいったい何者なんだ?」
「私はクラトス、単なる庸兵だ」
ここじゃあそう言ってるけど本当は天使だなんて最初は気づかないよな・・・。
「私は鎌、異世界の住人です。」
おいおい!いきなりそれはないだろう。
「「「異世界だって!」」」
ロイド達が驚く、まあそれが普通の反応だしな。
「ええ、ちなみに翔も僕と同じ異世界の住人です。」
「翔も!」
「まあな」
まあ否定する理由なんて無いし。
「それにしては2人とも落ち着いているね・・・。普通だったらもっと驚かないの?」
ジーニアスがもっともな質問をした。確かにそうなんだけどな・・・
「俺は前にも別の異世界に行ったことがあるし、そう驚かねぇよ。」
「僕も同意見です。」
お前も別世界に行ってたのか、まあ俺は別に気にしないけど。
「そういうものなの?」
「一応な」
「所で・・・この少女が今回の神子なのか?」
あ、完全にクラトスのこと忘れてた。
「ああ、そうだ」
「あのぉ・・・」
ん、ファイドラか、そういえばイベントで言えばそうだったな。
「あなたはもしかして教団に雇われた庸兵でしょうか?」
「ああ」
先の展開が分かってるからこのあたりはちょっと複雑だよな・・・。
「お願いします。神子様の護衛を」
「分かった。金さえ出してくれれば引き受けよう。」
「さて、それじゃあ聖堂の中に行くか。」
2人の話が終わった頃合を計り俺は皆に言った。
「ああ、だが連れて行ってもいいのは翔と鎌の2人だけだ、後はついてきても足手まといだ」
「何!」
ロイドは声を荒げて反応した。
まあ自身があるのにそれが足手まといと言われたら普通そうなるよな。
「お願いします。ロイドを連れてってください。私はロイドがいないと不安です。」
「神子が言うならしかたない、ただし己の身は己で守ることだ」
そう言ってクラトスは聖堂の中に入っていった。
「よかったじゃねえのか、俺たちも行こうぜ」
「ああ」
それを見て俺たちも中に入っていった。
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