修治達はフーブラス川を抜け、しばらく歩き、カイツールに着いた。

「ん?あれがアニスか?」

修治が検問の前にいる女を見て言った。

「ええ、そうです」

イオンが頷いた。そして、アニスが修治達に気づき、近づいてきた。

「大丈夫でしたか?アニス」

「はい、イオン様、それに、ルーク様!」

アニスはそう言ってルークに飛びついた。

「アニスは相変わらずだね」

リアが笑いながら言った。

「あれ?リア、久しぶり、隣にいる人ってもしかして・・・」

アニスが修治を見て、リアに言った。

「ち、違うって!」

「否定する所がますます怪しいって感じ〜」

「アニス〜!」

リアは真っ赤になってアニスを追い掛け回していた。

「今時の子供だな・・・俺も子供だけど」

修治がその光景を見て、誰にも聞こえないような声で呟いた。

「ところで、旅券が必要なんだよな?どうするんだ?」

ルークがガイに聞いた。そしてどこからか声がした。

「そんなものは関係ない、お前はここで死ぬんだからな!」

その声と共に1人の男が上から降り、ルークに向かって剣を向けた。

「ちっ、不意打ちかよ・・・掌底破!」

修治がそう言いながら降りてきた男に向かって技を繰り出すが、

「烈破掌!」

男はそれを防ぎ、逆に修治に技を出し、吹っ飛ばした。
そして、男がルークに斬りかかろうとしたが、そこにまた1人の男が割って入り、ルークに斬りかかろうとした男に言った。

「アッシュ、引け!そんな命令は出していない」

「ちっ・・・」

アッシュと呼ばれた男は舌打ちをして、剣を収め、どこかへと行った。

「ルーク、大丈夫だったか?」

「はい、ヴァン師匠」

ルークは立ち上がりながらそう言った。

「ガイ、修治、2人ともご苦労だったな」

「いや、まだバチカルに戻る必要があるだろ」

修治がヴァンに言い返した。

「そうだったな、ともかくいろいろと話したいことがあるだろう。そこの宿屋で待っている」

ヴァンはそう言って宿屋の中へと入っていった。

「さて、私達も中へ入りましょうか」

ジェイドがそう言い、みんな中に入っていった。


「修治、ちょっといいかな?」

修治が宿の中へと入ろうとした所をリアが止めた。

「どうしたんだ?」

「うん、話はみんなが聞いてくれるから・・・ちょっと手合わせして欲しいんだ」

「・・・なるほど、ヴァンに黙って飛び出したから会いたくないのか」

「それはいいの!手合わせするかしないのかどっちなの」

修治の言葉を顔を真っ赤にしながら言った。

「分かった。少し待ってろ」

修治はそう言い、中に入り、しばらくしてから戻ってきた。

「とりあえずみんなに話はつけておいた。後これ、木刀だ。ルークから借りてきた」

「あ、ありがとう」

リアは木刀を受けとり、そう言った。

「さて、さっさと始めるか」

修治はそう言って戦闘の構えを取った。

「それじゃ、行くよ」

リアも木刀を引き抜いた。


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