「つまり、俺を仇と間違えただけなんだ。だから俺達を殺すつもりはもうない。保証する」
修治がルーク達にそうリアの弁護をした。
「それならいいな、俺は気にしない」
「俺はどっちでもいいけどな」
「まあそれに殺すにしてもあなただけですから別に良いですよ」
ガイ、ルーク、ジェイドが3者3様の答えを出した。
「あれ?あなたは・・・」
イオンがリアを見て言った。
「あ、イオン様!すみません、こんなことをして・・・」
リアがイオンの姿を見るなり謝った。
「いえ、いいです。あなたの事情は分かっていますので」
「ところで・・・アニスはどうしてるのですか?イオン様がいるのなら・・・」
「アニスとはカイツールで合流します」
「ん?ちょっと待った、リアはイオンを知ってるのか?」
疑問に思った修治がリアに聞いた。
「うん、一応2年前までオラクル騎士団に所属してたからね」
「それで、2年前に親の仇の手がかりを見つけたと言って騎士団を飛び出したのです」
リアの説明に、イオンが補足をした。
「なるほど、それじゃあティアやアニスもリアを知ってるのか?」
「ええ、私は数回見たことがあるわ」
ティアが修治の問いに答えた。
「それに、元々リアは僕のフォンマスターガーディアン候補でしたので、アニスも彼女を知ってます」
「そうか、分かった。それじゃ、俺は先に休んでるからな」
修治はそう言い、岩に持たれかかって寝息を立て始めた。
翌日、朝早いうちに出発し、昼頃に出口近くへと差し掛かった。
「どうやら今回は邪魔が入らないみたいだな」
ルークがそう言った時、背後から大きな物音がし、みんなが振り返った。
「アリエッタ・・・か」
修治が姿を確認し、呟いた。
「アリエッタ・・・見逃してくれないですか?」
イオンがアリエッタに近づき、言った。
「イオン様の言うことは聞きたいけど・・・ママの仇!」
アリエッタがそう言った時、地震が起きた。
「まずい!瘴気が!」
リアが叫んだ。
「みんな、集まって!」
ティアがそう叫び、譜歌を唱え始めた。
クロァ リョ セ トゥエ リョ レィ ネゥ リョ セ
「これは・・・ユリアの譜歌」
ジェイドが驚いて言った。
ティアが譜歌を歌いきると、透明な壁が作られ、瘴気を遮った。
「よし、今のうちにここを抜けた方がいいな」
「ええ、ですがその前に」
ジェイドがそう言い、槍を出してアリエッタの方へと歩みだした。
「ジェイド、何をするんだ?」
「この様子だとまた後々襲ってくるでしょう。危険の目は早めに詰むことです」
「つまり、殺すってことか」
ジェイドが言った言葉を、ガイが簡単に言った。
「でもいいのか?あれでも一応6神将の1人なんだろ、下手に殺すといろいろあるだろ」
「ええ、ジェイド、ここは堪えてくれませんか?」
「仕方ないですね、分かりました」
修治とイオンの説得を聞きいれ、ジェイドは槍をしまった。
「瘴気もだいぶ薄くなったみたいだし、先へ進みましょう」
ティアがそう言って歩き出し、他の皆も歩き出していった。