「悪い、少々遅れた」
修治は宿屋に入り、待っていたルーク達に言った。
「さっき6神将が来ていたからな。それで入るのが遅れたのか?」
ガイの質問に、剣を返しながら頷いた。
「では、ここに留まるのも得策ではないですね。アニスはカイツールへ向かうとのことです。今日はここで休んで明日出発しましょう」
ジェイドがそう言った後、ルークが口を挟んだ。
「でもよ、聞くところによると橋が壊れてるんだろ。どうするんだ?」
「橋ってのはこのことか?」
修治が地図の一点を指してルークに聞いた。ルークはそれに頷き、修治はしばらく地図を見て、言った。
「それじゃあ・・・この川を抜けるってのは無理か?」
「そこは・・・フーブラス川ですね。今の時期ならおそらく大丈夫だと思います」
イオンが答えた。
「ならここを抜けるしかないですね。異論はありますか?」
ジェイドがそう言い、異論が出なかったため。ここで終了した。
翌日、朝早くからセントビナーを出発し、昼をある程度過ぎた所でフーブラス川に着いた。
「ここがフーブラス川か。時間からして今から抜けるか一度ここで野宿をするかどっちかだ・・・な!」
修治がそう言い終わると同時にバックステップを取り、振り向いた。
「ちっ、昨日からの気配は間違いじゃなかったか・・・」
修治が振り向いた先には。1人の剣士がいた。
「やっと見つけた。ロン!親の仇!」
「うわ!な、なんだ!」
「ルーク、俺から離れてろ。おそらく俺を狙ってる。他の奴も手出し無用だ」
修治がそう言いながら身構えた。
「仲間の手出しは要らないっていうのか・・・ボクもなめられたものだね!」
剣士はそう言って修治に斬りかかった。
「おい、1つ言っておくが俺はロンじゃない。お前は勘違いしてるぞ」
「とぼけるな!お前のその格闘術、それが何よりも証拠だ!」
剣士はそう叫び、もう1本の剣を抜いた。
「仕方ない、黙らせるか・・・」
修治はそう言い、一気に距離をつめた。
「悪いな・・・掌底破!」
修治の言葉と共に、手を突き出し、剣士を吹っ飛ばした。
「ちょっとやりすぎたな・・・」
「どうするんだ?あいつから話を聞いておいたほうがいいんじゃないか?また狙われても困るだろうし・・・」
「そうする。今日はここで休むか」
修治はそう言い、気絶している剣士から剣を取り上げた。
「こうしておけばいいな。ガイ、持っててくれ。俺は料理を作る」
剣をガイに渡し、修治は料理を作り始めた。
「う・・・」
「起きたか?」
「さっさと・・・殺すなら殺しなよ・・・」
「悪いな、俺はロンじゃない。俺は修治だ。話を聞かせてくれ。後これ、食べな」
修治は剣士にそう言ってシチューを渡した。
「あ、ありがとう・・・」
「とりあえず名前を教えてくれ。どう呼べばいいのか分からないからな」
「ボクは・・・レフィアニア=リア=アルカディア、リアでいい」
「リアか、分かった。それで、どうしてロンって奴を追ってるんだ?」
「親を殺された。それだけでいい?」
「なるほど。で、俺をロンと間違えたってことか?」
修治の問いに、リアは頷いた。
「そうか・・・それで、これからどうするんだ?」
「特に・・・決まってない・・・」
「俺達と一緒に行くか?」
修治のその一言に、リアはうろたえた。
「え?いいの!迷惑かけちゃったし・・・」
「俺は気にしてない、あいつらにも事情を話せば協力してくれるはずだ。で、どうする?」
「うん、一緒に行く。ありがとう」
「分かった。あいつらにも自己紹介しにいくか」
修治がそう言い、2人は立ち上がってルーク達の所へと戻った。