「あれ、不味いんじゃないか?」
セントビナーの入り口にオラクル兵がいたのを見た修治が言った。
「ええ、不味いです。中にいるマルクト軍とも話は取れそうにないですね」
ジェイドが冷静に言った。
「おいおい、どうするんだよ、ここを無視していくのか?」
ルークが慌てて聞いた。と、そこに1台の馬車が来た。
「ん?おい、あの馬車の話を聞いたか?どうやら後からもう1台来るみたいだな。それを利用できるんじゃないか?」
ガイが馬車に乗っている人と門を守っているオラクル兵の話を聞いて言った。
「そうね、エンゲーブの人達にはお世話になったから。話は聞いてもらえそうね」
ティアがそう言い、先ほどまで来た道を少し戻っていった。
道を少し戻ると、馬車が走ってくるのが見えた。
「そこの馬車、止まれ」
ルークがそう言って馬車の前に立って言った。
「おや、あんた達は・・・」
馬車に乗っているおばさんがルーク達を見て言った。
「あ、おばさん。ちょっとかくまって欲しいんだ」
「いいけど・・・人数的に1人だけ無理だよ」
「分かった。俺だけは歩いていく。ちょっと考えがある」
修治がそう言い、自分の青髪に手をつけ、剥いだ。そして、中から銀髪が飛び出した。
「どうだ、変装用カツラを取った。これで俺かどうか判別はつかないだろ」
修治はそう言ってカツラをガイに渡した。
「後はガイ、剣を貸してくれ。念のため剣を持っていけば旅人だと怪しまれないはずだ」
「ああ、分かった。宿屋で落ち合うか」
ガイは修治に剣を渡し、そう言い、馬車に乗った。修治以外も馬車に続いて乗り、先にセントビナーへと向かっていった。
「さて、魔人掌!」
修治は振り返り、木に向かって衝撃破を出した。衝撃破は木に命中し、木が吹き飛んだ。
「・・・気のせいか・・・つけられてる気がする」
修治はそう呟いて町に入ろうとしたが、門にいる人物達を見つけ、近くの森に隠れた。
「あれは・・・ガイの言ってた6神将って奴か・・・1人いないみたいだけど・・・」
修治がそう思っていると、オラクル兵が町を離れた。
「何だ、意味無かったな。まあいい、合流するか」
修治はそう言いながら、剣を抜いて後ろを振り返った。
「やっぱりつけてきてるな・・・。まあいい、町の中に入れば襲ってこないはずだ」
剣を収め、修治はそう言いながら町の中へと入っていった。
「気づかれてたか・・・でも、やっと見つけた。絶対に逃がさない」
木の上で修治を見ていた人物はそう呟いた。