「さて、どっちに行くんだ?左がエンゲーブ、右がセントビナーらしいぞ」
翌日、2人は朝から歩き出し、昼頃に看板を見て修治が言った。
「そうだな・・・左だ、首都まで続いてる、そっちに行くか」
「分かった」
ガイの意見を聞き、地図をしまった修治は少し歩き出して、再び止まった。
「ん?どうしたんだ?」
ガイが修治に聞くと、修治は指を前に指した。その先には陸艦があった。
「あれ、何かおかしくないか?あの飛んでる鳥だ」
「だな、俺達から見ても明らかに大きい鳥だ、おそらくは魔物だな」
「そして止まってる陸艦も怪しいときてる・・・行くか?」
「分かった、修治、裏から頼む」
「任せとけ」
修治はそう言って裏へと回り込み、ガイは正面へと向かっていった。
「ビンゴか・・・おそらくあいつがルークで向こうの奴がティアか・・・で、あの眼鏡をかけてる奴もルーク達の仲間だろうな・・・」
修治は草むらの影で様子を見ていた。そしてふと陸艦の上を見上げるとガイが既に登っていた。
そして起きている状況にも気づいているようだった。
「開始だな・・・魔人掌!」
修治が衝撃破を出し、ルークとおぼしき人物の傍で剣をルークに突きつけていた兵に向かっていった。
「な、何だ!」
その場にいた全員が叫んだ、そしてその声と同時にガイは陸艦から飛び降り、人質となっている男を助け出していた。
「ガイ様、華麗に参上」
ガイがそう言った時、修治も飛び出して言った、
「そして修治、同じく華麗に参上ってな」
そして人質の傍にいた女がガイに銃を向けた時、眼鏡をかけている男が逆に女の仲間を人質に取っていた。
「銃を収めてタルタロスに戻りなさい、そうすれば解放しましょう」
「くっ」
銃を向けた女は苦虫を噛み潰した顔でそう言い、銃をしまい、陸艦―タルタロスへと戻った。
「イオン様・・・」
人質に取られた女が人質に取られていた男―イオンに言った。
「戻ってくれますね、アリエッタ」
アリエッタと呼ばれた女は小さく頷き、そばにいた獣と共にタルタロスへと戻った。
「大丈夫だったか?ルーク」
それを見届けたガイはルークに聞いた。
「あ、ああ・・・」
「とにかく、どこかで休むなりする必要があるだろうな、ここから近いのはセントビナーか?」
修治がガイに聞いた。
「ええ、エンゲーブとほとんど同じくらいですがバチカルに戻るならセントビナーに向かいますね」
答えたのはガイではなく、眼鏡をかけた男だった。
「失礼、紹介が遅れましたね、私はジェイド=カーティスです」
「僕はイオンです」
ジェイドとイオンが修治とガイに自己紹介をした。
「ああ、俺は星原修治、修治で構わん」
「私は・・・」
「ティアだろ、そしてそっちの赤髪の奴がルークだな?2人は分かってるから大丈夫だ。それより急がないと野宿になるぞ」
ティアの紹介を遮って修治はそう言った。
「そうですね、それに今ここにいるのも得策ではないようです」
ジェイドの意見にみんなが頷き、セントビナーへと歩き出した。