「とりあえず・・・何から聞けばいいかな。修治はどこから来たんだ?」
部屋に戻ってきたガイが尋ねた。
「日本だ」
「日本?どこにあるんだ?」
ガイは不思議そうに聞いた。
「日本は日本だ。分からないなら世界地図を見せてくれ」
修治はそう言って、ガイから渡された世界地図を見て驚いた。
「日本が・・・ない。1つ聞きたい、この世界を何て言うんだ?」
「オールドラントだ、今俺達がいるのがここバチカルだ」
ガイは世界地図のバチカルがある部分を指して言った。
「ガイ、今から俺の言うことは全部真実だ、信じてくれるか?」
「分かった。とりあえず信じよう」
「俺はおそらく・・・この世界の人間じゃない。その証拠にこの世界地図を見ても俺の住んでる国はない」
「なるほどな・・・」
ガイは興味深く頷いた。
「なるべくこのことは誰にも言わないでくれ、俺は修治、この近くで倒れていた旅人ってことにしといて欲しい」
「ああ、分かった。お前は修治、俺は倒れてたお前をここで保護した。ってことだな」
ガイの言葉に修治は頷いた。
「っと悪い、またちょっと用がある。また待っててくれ」
ガイはそう言って部屋を出て行った。
「異世界か・・・退屈から逃れるとはいえ凄い所に来たな・・・」
修治がそう言った時、歌声が聞こえてきた。
トゥエ レィ ズェ クロア リョ トゥエ ズェ
その声を聞いた瞬間、修治は一気に眠気に襲われた。
「何だこれ・・・何やら嫌な予感がする・・・」
修治はそう呟き、顔を叩いて眠気を覚まして声のする方へと向かっていった。
修治が声のする方へと向かうとそこにはガイと2人の男と1人の女がいた。
「ちっ、お前だな!」
修治はそう言って女に突っ込んでいった。その途中ナイフを数本投げられたが。
「俺はそういう物には恐れないんだよ!」
投げられたナイフを左手で防ぎ、右手で女に殴ろうとしたが、避けられ、逆に杖で叩かれ、地面に突っ伏した。
「誰だお前は!」
男の1人が持っていた木刀で女に殴りかかった瞬間、何かが起こり、その2人が吹き飛ばされた。