烈火の剣を手にしたエリウッド…
本来なら 頼りになる武器が手に入って喜ぶはず……
しかし彼は暗く沈んでいた……

『…あぁ、ニニアンと支援Bで終わっちゃったよ…………』

そんなことはどうでもよく、ニニアンはエリウッドの手により
殺されてしまったあとだった

ほかの仲間たちは
『事故だった』
といって エリウッドの気持ちをやわらげようとする・・・・・・

しかしエリウッドは

『…Aまですれば将来は明るかったのに・・・・・・・・』

このような言葉を呟くばかり

これでも彼なりには悲しみから離れようとしている……

しかし

『…離れて…いいのだろうか……』

エリウッドがふと呟いたこの言葉がリンの耳に入った……

エレブ 烈火日記1P『…傍にいるだけで…』


オスティア城に戻ったエリウッドたち一行…
休息がとれると喜ぶ者もいれば 腕がなまらないようにと訓練する者もいる
…そして その中に暗く沈んでいる4人組がいた……

『…なぁ エリウッド』

『……………………』

『エリウッド!!』

彼の親友ヘクトルが親友の名を呼ぶ
その声でその親友は我に返る

『…ヘクトル……何だ?』

『…お お前なぁ!いつまでそうしてる気なんだ!?』

ヘクトルなりに心配してくれたのだろう

そのころ また別の場所で…

『…リン……じゃなくて、リンディス様…』

『……何?』

『あ…いえ、ささいな…こと…なんですけど……』

この時ばかりは気軽に話せる仲だった親友フロリーナも
なかなか言葉を出せずにいた

『……ゴメンネ』

『! い いえ そそそんなツモりでイッたんジャないんデス…け…ど…』

リンの突然の反応に驚きを隠せないフロリーナ
それもそのはず
『主君のことを常に気にかけるのは騎士として当然のこと』
そうケントから教わっていたため
フロリーナには
何故リンが謝ったのかがわからなかった


ヘクトルとフロリーナ
この二人はエリウッド&リンに立ち直ってもらうため
二人で意気投合してあのこと以来つきっきりでいるのだ

…最も 意気投合しなくてもそうしていたとは思うが

ヘクトルにもフロリーナにもエリウッドが落ち込む理由はわかっていた

…しかし 何故リンまでが落ち込んでいるのだろうか…
そこがわからなかった

ニニアンととても仲がよかったから?
何か約束があったから?
突然の死を目の当たりにしたこと…?

…その原因から考えれば
ニルスとはまた違う顔をしているように見える

ニルスは今…無理に明るく振舞っている
それは誰の目から見てもわかること
…しかし あえて口に出さないのはニルスの悲しむ顔を見たくないからだろう


……いろいろな考え方をしたが二人にはわからなかった


『…リ リンディス様……そ そんな顔なさらないでください…』

『…ゴメンねフロリーナ…』

謝り続けるリン…
そのたびフロリーナの頭は白くなっていった

『り…りんでぃす様!』

『……何?』

『…い いぇ……す すみません!』

フロリーナは駆け出した
…自分は親友の力にもなれないのか…
自分はその程度の存在だったのか…

そう思うたび、フロリーナの目に涙がたまっていった



『…やっぱダメだったか』

『……わ わた…し……』

『泣くな、お前のせいじゃないんだから』

『……でも』

ヘクトルとフロリーナ
この二人 親友に元気づけようとしたが
どうやっても笑顔は見せてはくれなかった……

『…私……どう…すれば……』

『……俺たちじゃダメなのかもな…』

『…どうにか なりません…か?』

『…しばらくは……そっとしておいてやろうぜ』



そんなころ オスティア城では突然の騒ぎが起きていた

デニングを中心にするモルフの軍団が攻めてきたとのことだった



『みんな!気は抜かずに 絶対に…油断しないように!』

エリウッドが軍をまとめ 戦闘体制にはいる

『…ったく、お前のこういうとこにゃ負けるぜ…』

一言…ヘクトルがそう呟いた

『…リンディス様……』

『…大丈夫 私が守るから 無理しないでね』

『…は はい』

目の前に広がる弓矢…
フロリーナのような天馬騎士にとっては非常に不利な戦いとなる
リンは前に立ち、スナイパー・アーチャーを中心に斬っていった
そして ほかのモルフはフロリーナが担当した


…ふと リンの視界にエリウッドの姿が入る

『…エリウッド……まだ…あのこと……』

リンにはエリウッドは無理をして戦っているようにしか見えなかった
しかし、戦いの最中にそのことを気にかけるわけにはいかず
自分の中で抑えながらも 戦うしかない…

リンにはそれがわかっていた…
…自分も 同じようなことがあったから……

…キアランでの内乱…
祖父のことは心配だったのだが
戦いの中で気にかけていては戦えない…
自分も経験したからこそわかる……

…立場的にはエリウッドのほうがダメージが大きいだろう…

……しかし リンは…エリウッドを見て思うのはそれだけじゃなかった…


その時だった…
リンの目の前に数本の弓矢が現れた
気づいたときには遅かった

その瞬間、一瞬リンの時間は止まった
…目の前に影が現れる
そこには見慣れた髪があった

…燃えるような…紅い……髪…


『…エリウッド』

リンの頭を駆けた一人の………

…そして再び時間が動き出す・・・
そのとき目の前に現れたのは







体から赤い液体を流している……エリウッドだった


『……ェ……ゥ……ド…・・・・・・・?』

言葉にならない声でエリウッドの名を呼ぶ…



…返事はない



この時 リンは感じた…

「自分のせい…… 自分のせいでこうなったんだ…」

…周りのことなど気にせず 自分を責めた…



……リンは自分で自分がわからなくなった
何故かばってくれたのか
かばう理由はなんなのか
かばってどうなるというのか…

もう ほとんどがうやむやになっていた






























ブチ……









…リンの中で何かがキレた
……そしてリンは…

































剣を振り回した


リンは狂う意識の中 エリウッドのことを…考え続けていた

体の方は敵に勢いよく斬りかかる…
ほかの表現で鬼…悪魔といえる状態だ

…もちろん周りの声など聞こえていない


…リンはただ……






……叫んでいた



誰にも止めることはできなかった
自分も巻き込まれかれないからだ

…ただ、止められる人物といえば……

こうなった原因の1つである…彼なのであろう


…しかし その彼はすでに冷たくなっていた

…そのことに気づいていたのはリンの後ろで戦っていたフロリーナただ一人…

『…エリウッド様? ……エリウッド様、起きてください…
 ……まだ…お昼……ですよ…?
 …戦いの最中に…寝ていては…ダメ…ではありませんか……』

…フロリーナの目から不意に涙が零れ落ちた…

…自分がしっかりしていればこの事態は避けられたかもしれない
避けられたのならリンだってあんなことにはならなかったはず
……自分さえ……自分が強ければ…・・・

目の前で狂うリンの姿…
それを見る……

『…リン、ダメだよ……ほかの人…困らせちゃ……
 ……ダメ……だって…』


……そのとき フロリーナは気づいた…

…ほかの人…
何故…いる…?
仲間だから……
仲間……信頼できる仲間だから…
……なら もし仲間もなしに一人で…
何ができる……?
…たった一人で……すべてこなせる…?
…無理

どんなに頑張ろうとも
自分一人だけでの力ではどうしようもないことがある…




だからこそ仲間がいる…
信頼できる……仲間が




フロリーナの頭にそんな言葉がかけられた…

フロリーナは立ち上がった
後ろを向かず、前を見て
恐れず…そして 悲しまず……

悲しみ……
だが 今はそのときではない
目の前…目の前の事態をどうにかせねば



槍を回転させ、遠心力を利用してモルフたちに突き刺す
その威力は普段のフロリーナ…
いや 並の人間の限界を超えていた


ほかの者たちは呆然とした顔でそれを見つめているだけだった
……もっとも、その迫力に誰が戦っているのかさえわからなくなるような者もいたが


……フロリーナは知っていた
…リンがエリウッドに想いを寄せていることを

…でも それは本人の口からではなくては意味がない…
そう思った彼女はその件を避けて慰めたかった…

……そう、仲間だからこそ
親友だからこそ…
そう思えるのだ……


だからこそ 今はその親友を救わなくてはいけない
現実から逃れている親友を……

































…事態はようやく静まった

フロリーナの目にすぐ映った人物
…リン


リンは肩で息をしていた
それほど激しく暴れていた…
むしろ、立っているのがすごいくらいに……


フロリーナはリンに近づく


そしてリンもフロリーナに気づく…
そのとき、リンはすでに収まっていた


『…フロリーナ……』


リンの目の前に出るまで無言…
いつもなら見かけただけで話しかけてくる…
しかし、今回だけは様子が違った


そして
フロリーナはリンの目の前で……








































パシン!


リンの顔にビンタを放った

予想外の出来事に唖然とするリン…

それ以前にフロリーナのした行動なのかどうかさえ信じられなかった


…初めてだっただろう
戦いで傷つくことはある…
…しかし 仲間に…
面と向かい合って……




何故……リンにはよく理解できなかった



































……理解できなかった…
なのに…涙が…あふれた……


………
……



『……フロ…リーナ・・・・・・?』


『バカッッッッ!!!』


フロリーナから正気に戻ったリンにかけた言葉…

『…………』

リンは言葉が出なかった…
…でも 涙は止まらなかった


『ゴメ……ゴメン…フロ…リ……ナ………』

…しかられた
……いや しかってくれた
自分を…しかる人……

……何年ぶりだろう
両親が…山賊に…………


おそらく そのとき以来だろう…

祖父にしかられることはなかった
…ほかにも しかる人なんていなかった
……身分…

……身分の問題……
………
……



…しかってもらえた
それが嬉しかった…

それも…あるけど……


この時、リンは フロリーナと母親の姿を重ねて……

…リンは地面に座り込んだ……
……泣いていた

悲しいのではない…悔しいわけでもない…
ただ…


















…嬉しかった


…目の前の現実からは逃げてはいけない
……現実を見なければいけない
そして…前を見て…進む
・・・・・・そうして成長していくのだから


…フロリーナの口から聞かなくても
リンには伝わっていた…………




フロリーナが…それを教えてくれたんだ……

両親が殺された後…
強ければ…強くなれば……

…現実を信じたくなかった
…でも 受け入れるしかなかった



……想いを寄せていた彼が死ぬ…
たとえ…片思いだったとしても…
悲しい……
……しかし 受け入れなければ前には進めないんだ……

それに気づいたリンは涙を拭いて一言…
こう言った……









『…ありがとう』





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逃げるのも一つの道……
…でも そこで迷い 立ち止まってはいけないんだ
……止まってはいけないんだ…

逃げて…新たな道を探す…
そのまま…前に進み続ける
時には…息抜きも……
止まることも必要だけれど…

前に進むことで人は成長するんだ……




























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…余談だが、主人公のエリウッドが死んでしまったため
リセットされ、再びエリウッドと再会することになる……


再会したときのリンの顔は…………




































……
…まるで鬼のような顔…
(本当に存在するんだね… こういうのって……)


理由はわからないにせよ、心から深く感じたエリウッドだった








END



あとがき...


一言で
『…失敗した』

この一言につきます

本当は リンとエリウッドが深く…
っていうか そんな感じの予定だったんですけど…

どこで歯車が狂っちゃったんでしょうねェ……
いつのまにか リン×フロリーナネタになっちゃってますね…


…まぁ この予定されていた(はず)の物語は
また次の機会に書くことにしようかな…と(ォィ



それでは 次回をお楽しみに(!?)


それではさよ〜なら〜〜〜でござるっ!(ェ
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