LOVEHINAQUEST


…『浦島 景太郎』3浪かもしれない候補
彼は今日も勉強熱心〜
……しかし 今日はなんだか様子がおかしいような…?
そんな様子を察した景太郎は『ひなた荘』管理人として見回ることにした

……物音がしない…?
いつもドタバタなひなた荘なだけに これだけ静かなのは異変としか思えない

コンコン

天井に開いた穴をふさいでいる板をノック

『もしも〜し 成瀬川〜?』
………………
返事がない
『成瀬川さ〜ん?』
・・・・・・・・・・・・・・・
返事なし!
『あれ? いないのかな?』

とりあえず その穴からなるの部屋に入る
『なんだ、いなかったのか』
納得した景太郎はキツネの部屋に行ってみることにした
『キツネさんなら何か知ってるだろう』
そう祈りながら歩き始める
そして キツネの部屋をノックする
『キツネさ〜ん』
・・・・・・・・・・・・・
こちらも返事がない
『…あれれ?キツネさんもいないのかな?』

あきらめた景太郎は管理人室に戻る

『…今日って何かあったっけ?』

今日はスゥのキックもくらっていないし、素子に斬られそうにもなっていない
それ以前に 成瀬川に殴られていないこと…
と いうよりは ハプニングが起きていないのが不思議なほど…日常はすさまじかった

景太郎はカレンダーを見てみる
『…別に 何もないよなぁ…』
・・・・・・・・・・・・・・・・・
『うん、何もないよな』

首をかしげながらひなた荘を歩き回る
…人とは遭遇していない
『…誰もいない…?』

ドバキャァーー!


『はぅぁ!!?』

くらい覚えのあるキックが飛んできた…
…と 景太郎は感じ取った
『…す スゥちゃん…?』
景太郎は驚き、少し時が止まる
…驚いた方向が普段とは違ったが……

『なんやけーたろ暗いなぁ?』

予想通りキックの主は『カオラ・スゥ』だった
『スゥちゃん…いたんだ』
『何?ウチがおるといけないん?』

少し頬を膨らませるスゥ
『い いや そうじゃなくてね…
 …そうそう! ほかのみんな知らない?』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

少し間が空く
『ウチ知っとるよ♪』
『ほ ほんと!?』

…この時景太郎は
(あの不吉な予感は気のせいだったんだ』)
そう感じた…

…が これで終わりではなかった

とりあえず スゥに案内され食堂に着く
『…す スゥちゃん?…ここわ…?』
『食堂やで』

当たり前の回答に唖然とする景太郎だったが
『…誰も…いないけど?』
『おるよ?』

あっさり答えられてしまう
『・・・・・・どこに…??』
『ここ〜〜♪』

スゥが指差す先には なにやら摩訶不思議な奇怪…いや『機械』がある
『…何コレ?』
当たり前すぎる質問
『ウチが作ったんよ』
『…こんなものまで作るなんて……』

…とは いうものの 景太郎は何のための機械なのかわからなかった
『…食堂にあるということワ…、お料理ロボとか・・・・・』
『ハズレ〜〜、けーたろ頭硬いで〜?』

…景太郎に頭にはいくつもの『?マーク』が浮かんでいた
スゥにも見える…と思えるほど、景太郎は『?顔』だった

『…スゥちゃん……も もしかして…ぇ?』
景太郎の目にやっと入った転送装置のようなもの

『?どないしたん?』
『…みんな入ったの?』
『そや♪』

景太郎は頭が真っ白になった……
『…こ ここまですごい発明ができる人だったなんて…』
…何かが間違っているような気がする

『けーたろもやってみとうなったん?』
『はぃ?』

ここで彼は思った…
(…優柔不断な自分なんだ……、おそらく…いや 絶対巻き込まれる…)
…と

『…よっしゃ!けーたろも一緒にやるで!』
『…へ?』
『この機械ん中入るで♪』
『ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??』

景太郎の叫びは約10秒間ほど続いた

『ちょ ちょっと待ってよ!!お 俺は…』
『だいじょぶだいじょぶ なるやんもおるで』
『そ そーゆー問題じゃなくてね!!』
『ニャハハ♪』

そこへ静かな足音…

『…あ センパイ!』

そこに現れたのはしのぶ…『前原 しのぶ』である

『あ しのぶちゃん!無事だったんだ?』
『…はい?無事…ですか?』
しのぶにはいまいち状況がつかめていなかった

その時、スゥの頭の上に電球が浮かんだ
『せや しのぶとけーたろ 一緒にはいればええやん♪』
『ススス スゥちゃん!? いきなり何を…』

しのぶは何を想像したのか そこで紅くなった

『何って、けーたろ 一人やと寂しいんやろ?』
『ちちち違うって!』
『カ カオラ!センパイをからかわないの!』
『? からかっとらんよ? みんな一緒のほうがおもろいやん♪』

表情を見れば 純粋にそう思っているようだ

『で どないするん?』
『ちょっと聞きたいんだけど……』
『何や?』
『…モトコちゃんも入ったの…?ここ……』
『せや 一番最初に入ってもうたで』

(い 一番最初に!?あのモトコちゃんが!!?)
キツネはともかく、素子が好奇心で入るとはとても思えなかった

『気になるなら中見てみるか?けーたろ』
『…へ? 中って… はぃ?』

スゥは景太郎の質問を無視して
その謎の機械をいじりはじめた

『…あの〜、スゥちゃん?』
『…せ センパイ…、一体どうしたんですか?』

しのぶはすっかり忘れられていたようだ
『それが…俺にもさっぱり』
『…そ そうなんですか』

『おし、これでOKや』
なんとも手際がよいようで
5分足らずで準備完了の様子

ポチッ

と〜っても基本的な音とともに
スクリーンらしきものに森…のような風景が映し出された

『…森? 林?』
『まぁま、見ててみ』

しばらく経つと人影が見えてきた
『あ!なるセンパイ!?』
『な 成瀬川!?』
『どや?』

スクリーンには呼ばれたとおりの姿…
なるの姿が映っていた


ちゃんと音も聴こえるようだ……
もちろん、こちら側だけだが

『もぅ!ここは一体何なのよ!?
 スゥちゃんてば 突然押し込んだりするんだから』

スクリーンからはなるの声…
『す スゥちゃん……無理やり入れちゃったの?』
『事故や事故や♪』

しばらく経つと2人の人影…
その影の正体を知った景太郎は 目玉が飛び出した・・・・・・
…ような 驚きにつつまれた

『は 灰谷!?
 …それに白井まで!!?』
『センパイの知り合いの方なんですか?』
『し 知り合いも何も…』

…明らかにおかしいと思った
あの二人がここまで来たのか…?
それ以前に、二人にそんな暇があるのか…?
……いや ありそうだが・・・・・・・
…でも なぜスクリーンの中にその姿が?

『スススススススゥちゃん!?』

…何度目だろう
その名前を呼んだのは……

『すまんな けーたろ
 一昨日の夜 けーたろの部屋に忍び込んでもうた♪』
『…へ?』

…今の質問と忍び込んだのとどんな関係が……?
景太郎は瞬時にそう思った

『だからな、けーたろの頭ん中のデータ
 解析させてもろたんや』

つまり、景太郎の部屋に忍び込み
景太郎の頭の中を何かを使って探り出し
そのデータを取り込んだということだろう

『…! つつつまり、これは俺の頭の中の世界!?』
『それはちゃうねんけどな
 ウチが最近ハマったゲームの影響や』

…影響
……使いどころあってるのか…?
景太郎の思考は突っ込みだらけだった

『…で、どや? 入ってみとうなったろ?』

景太郎は激しく頭を左右に振った

『しのぶはどや?』

たびたび忘れられていたしのぶだけに、声をかけてもらえたのは少し感動だったが
首を振った

『…つまらんなぁ
 はいって〜な?』
『…あのねぇ、俺はそんなに暇じゃないの』
『けーたろローニンするんやろ?』

グサリンコ

景太郎の胸を浪人という文字が貫いた
『だ だから?』
『…ええやんか〜』

ウルウルさせた瞳で見つめられた景太郎は
返答に迷った

『…しのぶ〜〜』
『……せ センパイ』
『…いや 俺は……入るつもりなん』

ドバキャァーー!


『ぷるぉっ!!?』

光を超えそうなすさまじいスピードで
景太郎は転送装置のようなものに突っ込んでいく

その間 まさに0.1秒を争うスピード

そして 景太郎の体が光とともに消えた
・・・おそらく転送されたのだ

『キャーー!センパーーイ!!』
『ニャハハ♪』
『カッカオラーーー!』
『事故や事故♪』

どうやらスゥが蹴飛ばしたらしい

『けーたろが心配ならしのぶも入らんか?』
『えぇぇ!?』

…顔を真っ赤にしたしのぶは謎の機械にちらちら目を配る…

『いきたいんやろ?』
『う"……』

どうやらストレートに正解の様子




---一方景太郎は…

『…んん? ここは……
 って、スゥちゃんに蹴飛ばされたんだな…
 予想通り巻き込まれてしまった……』

辺りを見回す限り砂砂砂砂……
一言で言って 場所は砂漠

『さささ砂漠ぅ!!?』

【景太郎は混乱している!】

『スゥちゃ〜〜〜〜〜ん!!!!』

…声は届かなかったのか
戻すつもりなどこれっぽっちもない…
つまり 楽しんでいるのか



------こちらひなた荘
…そこには・・・・・・
人の気配がなかった……?



実は 景太郎が転送され、気づくまでの間15分間…
砂漠で景太郎が死ななかったのはたいしたものだったが…
その15分の間……

『…………みんないってもうた
 …せや 誰もおらんのや
 ……つまらんなぁ…』

眺めていることに飽きてしまったのか
スゥは転送装置へと足を進める

『ウチもけーたろのとこいこか』

そして転送装置(のようなもの)から光があふれ……




------景太郎方面

『…ダメだ…、帰れそうにない…』

【景太郎は途方にくれている】

そんな状態の景太郎の頭上に影が…

ドサァ!


景太郎が見上げる暇もないうちにその影の主は景太郎の上に落ちた
…どうやら少女のようだ

……その少女とは…

『し しのぶちゃん!?』
『…う…ん、………』

【景太郎のやる気が30%アップした】

『しのぶちゃんもきちゃったのか…
 ……はぁ、どうしよう…』

アップした能力とは反対の発言をする景太郎
ちなみにしのぶはまだ景太郎の上で気絶している

…でも 確かに景太郎のやる気は増していた




『……あ…れ?…?????』

【しのぶは気絶状態から開放された】

『しのぶちゃん、気づいた?』

そんなセリフの景太郎だが まだしのぶの下敷き状態である

『…あ は…はひ!?』
ようやく自分の状態に気づいたのか あわててその場を離れるしのぶ

『すすすみません!!』

『い いや…、ともかく、…結局入っちゃったんだね…
 しのぶちゃんも…』

『……は はい…
 ………その… センパイがしんぱ』

奥義 斬岩剣!


斬!!


ゴゴオォォォォォン

『はぇぇぇ!?』

『キャッ!?』

一瞬のうちに 景太郎の後ろにあった岩が真っ二つになった

(モ…モトコちゃん!?)

景太郎は辺りを見回す
しのぶはクラクラしていた

景太郎の予想した人物の姿が…
……なかった

(あ あれ…?)

『せっ センパ〜イ』

『ハハハ… も モトコちゃん…?
 ……なのかなぁ…?』

気のせいで済めばいいなぁ…
景太郎は祈った…
…なぜなら
しのぶと二人きり…
この場面を見つかれば斬り殺されるのではないか…
そう思うからだ

『…つ〜か、今……二人きりなんだなぁ…』

『え? 何ですか センパイ』

『いや なんでもないよ』

別に聞かれても問題はなかったが
話をそらす

(…ん?
 しのぶちゃんが俺と一番近くに入った…(転送された)
 ……から すぐ会えたんだよな…
 …ということは、時間的に…
 ……モトコちゃんが一番遠いんだよな…)

『…センパイ? 考え事ですか?』

『いや〜、命の危険を感じずに済むなぁ』

『…え?』

景太郎の独り言が偶然に会話になってしまったようで

『センパイ、ここ 砂漠ですよね…?』

『…みたいだね』

『……あの 喉…乾きませんか……?』

『……ゴメン、しのぶちゃん…
 今…その話を出さないで……
 それを紛らわそうと思ってたから・・・』

『あ…… ご ごめんなさ』

『…ま 事実だもん、しかたないよ』

『……そ そうですね…』

砂漠といえば……
そんな言葉が景太郎の頭を通り…

『…そういえば 砂漠には…』

…通り過ぎていった

『……なんだっけ…?』

『…え?砂漠……ですか?
 ……ら ラクダ…さんとか?』

…間違ってはいない…
……のかもしれない

『…あの、もしかしたら…
 オアシス……があるんじゃないでしょうか…?』

『それだっ!!』

景太郎&しのぶは足を進めた
…約20分が過ぎる


『…セェンパァイィ………
 ……あ 暑…ぃ…ですぅ……』

『…が 我慢……
 できそうに…ないね……』

…いつまでも続く砂の道……
風景がまったく変わらないため…
どの方角に進んでいるのかさえわかったものではない…



そのときだった
景太郎の目には20分前の話に出た
『オアシス』が映った

『し しのぶちゃん!!』

『…ぇ…… あ… はぃ………?』

『ほら!前! 前!!』

『…前…ですかぁ…?』

しのぶはクテクテ状態だった
普段ならこんな状態見ることはできないだろう…
景太郎はそう思ったが
状況が状況なので仕方ない…
そこで止めておくことにした

『…センパェ…… ま まぇ…何…ですくぁ……?
 あうぅぅ……』

景太郎は冷静に考えた

緊急事態!?


『ししししのぶちゃん!!』

『……はぃ〜……』

ここが砂漠じゃなかったら
お酒を飲んで酔っているようにも思えたかもしれない

しかし ここは明らかに砂漠
日射病が一番近いのではないか…
そう判断した景太郎は オアシス地帯へ走り…


倒れた……


・・・・・・倒れてどうする…景太郎よ・・・・・・・

『ちち 違う違う!』

とりあえずしのぶを オアシス地帯のみに生えている緑色の地帯…
つまり、草(ェ)の上に寝かせる

そして…

気道確保

『……あ あれ…?
 ど どうだっけ…?』

【しのぶは少し回復した】

『……ぇ… …?』

しのぶが目を開けたとき…
目の前には……

























景太郎の顔……

景太郎は目をつぶって何かを考えているようだ

(せ センパイ!?)

しのぶには状況が飲み込めなかった

(セセセセンパイ!? ど どうしたんですか〜〜)

しのぶはまさかとは思ったのだが…

KISS

(き キャァァァ〜〜〜!!)

【しのぶは舞い上がっている】

とりあえずしのぶは目を閉じた…

(…せ センパイ……)


------景太郎方面

(あれ…? 気道確保して……息を吹き込む…だっけ?)

・・・・・・それは人工呼吸ですよ

『だあぁぁぁぁ!それくらい知っとるわい!』

……え?

『ナレーションが驚いてどうする!』

…気のせい気のせい
……とりあえず、それは人工呼吸ですよ景太郎クン!

『だっ だからね〜!
 今から水を口に……ぃ!?』

景太郎クンがしのぶちゃんを見ると
『お願いします』
とばかりに真っ赤になって目を閉じるしのぶちゃんの姿が…

『わぁぁぁぁぁ!待て待てェ!!
 ちちち 違うんだ〜!』

な〜にが違うんでしょうね♪
違う見方をすれば

KISS

というものでっせ♪

『違うんだしのぶちゃ〜ん!!』



------しのぶサイド

(…せ センパイ…?)

何も変化が訪れない
不思議に思うしのぶちゃ……
しのぶだったが…

(…そ そうよね…
 落ち着くのよしのぶ…
 そう… こんなこと… 現実にあるわけないんだから)

などと考えていた


------そして両サイド合体


『いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!』

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ………・・・・・・・・・・

『し しのぶちゃん!!?!?!』

普通じゃない驚き方の二人ですが…
何を想像したのか走り出すしのぶちゃ… いや しのぶ……

『あぁっ! しのぶちゃん!!
 あ 危ないよ!』

やれやれ、景太郎…
男なら追いかけるべきじゃない?

『だからさっきから何なんだよ このナレーションは!?』

「…いずれ わかるからね……」

『…?』

とりあえずしのぶty・・・ しのぶを追いかける景太郎

しかし このまま捕まえてはつまらない…
と 言うわけで何らかのハプニングが必要ですね


『コラコラーーー!
 そんなんじゃダメだろナレーションは!!』

・・・ナレーションの自由でしょ?

『ダメだぁ〜〜〜!!』

…怒らせたね?
・・・・・・せっかくこの配役もらったのに…
…せっかくもらったのに!

『しのぶちゃ〜ん!』

無視するし
…フフフ







砂!!

景太郎の足元の砂が突然崩れた〜〜〜〜!
緊急事態緊急事態!

救助部隊出動!!

『前振りの砂って何!?
 はぃ!?砂砂砂砂(以下略)』

『けーたろ〜〜〜』

『ムッ!この声は…
 …モトコちゃん?…いや 呼び方が違うよな
 ……キツネさん?…こんなに声高かったっけ?
 …じゃぁ 成瀬川?・・・こんな軽快な態度じゃないよな
 …だとすると…?しのぶちゃんは違うし
 ……誰?』

ドグワシャァァ


『へげぇっ!!!?』

『けーたろ見つけたで〜♪』

『スススススススゥちゃん!??』

…さて、何度目やら

『9回目や♪』

あらら〜 数えてたのね
(…あってるかな?)

…っていうか、ナレーションに答えるのは反則ですよ

『聞こえるんやもん』

……・・・・・・・・・・・・・・・・・

『え?何?』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『?????』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『やめやめぃ!
 話がわからなく…
 っとあぁ! しのぶちゃん!!!!?』

しのぶの姿はすでに消えていた

『お♪聞こえた聞こえた』






-------一方しのぶは

…砂の中

(キャァァァァァ〜
 ななな何〜?)

砂の中に閉じ込められていた

(く 口に砂が!?
 あわわ い 息が…)

呼吸困難とも言える状態

(た 助けて…… センパイ…)


ドサァ


しのぶは遺跡らしきところへ落ちた

『ケホッケホッ
 …ここは?』

なんともお約束な質問だが、そう感じてしまうのだから仕方ないのでしょう

『…じゃ 言い直します
 遺跡……ですか?』

あぁぁぁ・・・
答えたらあかんねん…

『…あ』

……何?



じゃなぁいぃ!
わた…ナレーターが答えてどうする〜

『センパイの居場所知ってますよね?』

だだだダメですぅ!
わ 私に質問しないでくださいぃぃ

『……ご ごめんなさい…
 あの… 目の前に…いたので・・・』

「…え?」

『…あ 私、前原 しのぶです』

「いや 知ってるんですけれど」

『え? そうなんですか?』

「えぇ そりゃナレーターですから」

『ナレーターさん?』

「うん 私が話の鍵を握ってるわけで……


ぇぇぇぇえええええ!!?」


「なな なんで会話なっちゃってるの!?
 それ以前に「」(かぎかっこ)文になってるしぃ!?」

『あの……??』

「…仕方ないわね…
 どうやらあなた…もとい、しのぶちゃんだけには
 私の姿が映ってしまうみたいですね」

『はい?』

「そういうわけなんですね
 …まぁ、この姿で見えてしまうのも何かの縁
 私は『碧(みどり)』、とりあえずよろしく」

『…はい …よろしく』

「でもですねぇ 私のこと バラされると困るんですよ
 …と いうわけで 黙っててくれます?」

『は はぁ……
 わかりました』

「素直な人でよかった♪
 …ま、やっぱ少し不安なのに面白みを重ねてもうひとつ」

「……あの?』



「光がしのぶを包み込んだ…」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダメダメダメェェェェ」


「だ ダメなのよ
 ナレーションがかぎかっこじゃ…」

「…ま いいか
 これで一時事態収拾ね♪」

ANO……

(な 何?
 今…私何を…???)

etto・・・eeeeeeeeeeee!?

なにやらわけのわからない言葉を口にするしのぶ
やった♪ナレーションに戻れた♪

(なななな!?
 わ 私私?私!?)

あららぁ… 混乱しちゃったかぁ

【しのぶは混乱している】

↑これだね♪

…違うか

「えっとねぇ、しのぶちゃん」

HAI…NANDESUKA……??

(私…どうしちゃったの…)

「あのねしのぶちゃん、この言葉はね
 誰にも通じないから安心して♪」

AAA…ANSHINDEKIMASEN'YO-!!

「大丈夫大丈夫♪
 これで私たちだけの秘密ですからね♪」

SON'NA……TASUKETEKUDASAIYO…
 SONOMAENI NAOSHITEKUDASAI


(ふえぇ…伝わってそうにないよぉ…)

「大丈夫だって
 私には通じてるわよ?」

HONTODESUKA!?

「 うんうん ホントホント
 ちゃんと通じてるから♪」

(よ よかった…)

「センパイ愛してます(ハァト)
 …でしょ?」

(ち…違う…違いますぅ…
 つ 通じてないじゃないですかぁ…)

けーたろー君に伝えてきちゃおうかなぁ〜?

(えぇ!? こま 困りますぅ!!)

I……ITTYADAMEDESUU……
 SENPAINIHA……NARUSENPAITOIUHITOGA……


「…そう
 わかったわ」

(えっ!?
 通じてる!?)

「よろしくお願いします 碧様
 ですわね?」

(ちちちちちちち
 ちぃがぁうぅ……!!)

【しのぶ精神は破壊された】

「それじゃ 伝えてきますね(オンプ)」

DA……DAMEDESU……
 DAME……DESU


(うぅ…ダメ…
 ダメですぅ・・・・・・)

「アハハ、ごめんごめん
 ちょっとからかいすぎたかな」

(…え?)

「ダメです でしょ?」

(つ 通じてる!?
 今度こそ本当にですか!?)

「そうよね♪
 やっぱり本人の口からじゃないとダメですよねぇ」

(つ 通じてない……
 通じてないじゃないですかぁ…碧さん…)

MIDORISAN・・・・・・
 TIGAUNDESUTTEBA……


「だから特別に!
 景太郎クンのとこへ送ってあげちゃう♪」

(え!?
 センパイのところへ!?)

HONTOUNI・・・・・・
 HOUTOUNANDESUKA……!?


「本当よ本当♪
 信用ないなぁ」

(だってだってぇ…
 ・・・え? 通じてるのカナ…?
 なんだか同じパターンばっかりで…)

「大丈夫
 景太郎クンの寝室へ…(ハァト)」

E!? SON'NA!?WA WATASHI…SON'NASHIKAKU

「さぁ、今こそこの者を…」

MA…MATTE!

「了解!「今すぐに!」ですね?」

TIGAIMASUUU……

「…呪文面倒だからカットカット」

(そんなんでいいんですか!?
 …じゃなくて ストップしてくださ)

「そしてしのぶは私の目の前から消え去った…
 …フフ われながらカッコよく決まったわ」




------そして景太郎方面へメインを移す

『困ったなぁ…
 しのぶちゃん…どうしよう』

そこへウマイタイミングにしのぶが現れた!!

『え?何?』


ズシャァァァ


『ヘボッ!?』

『あ しのぶや〜♪
 元気やったか〜?』

ちなみに 景太郎と合同進行中のカオラ・スゥさんです

『よろしゅうな〜』

…さて、景太郎クン
目を…開けてください

『……ん?』

景太郎が目を開ければ目の前には…



しのぶ…
























の≪唇≫

『!!!!?!?!?!?』

またまた そんな派手に…
っていうか、ここまできたら一気にいっちゃえ!

『な 何を!?
 じゃなかった、しのぶちゃん!
 大丈夫?』

(…ん? あ!センパイ!!)

SENPA---I!

景太郎の目が点になる

『…え?何…?しのぶちゃん・・・?』

(いやぁぁぁ!やっぱり通じてない〜!
 せ センパイこの言葉…どこの国の言葉なんですか〜!?
 習わない言葉なんですか〜〜!?)

遠まわしに景太郎の頭の悪さを指しているしのぶであった

(ち 違いますぅ…
 違うんですぅ……)

SENPAI……  TSUJITEMASEN……KA?

『……え?な なな!?』

しのぶの目から突然涙があふれ出た

『どないしたん?
 しのぶ泣いとるで?
 けーたろ泣かしたんか?』

『違うよ!
 で でもしのぶちゃん?
 どうしたの…?』

(…答えようがありませんよぉ…
 センパイ 助けてください…)










しのぶの言葉がおかしくなってしまった!?
誰にも通じなくなってしまったこの言葉
しのぶの運命やいかに!?












あとがき?

さてさて…
スゥの暇心(ェ)から始まったこのゲーム
バーチャルじゃありません!(何

しのぶの出演が多いですが気にしないでください(ェ)
とりあえず 大まかに言って
このあと更なる不幸がしのぶを襲います

…しのぶファイトォ(ォィォィ

それを救うことができるのか景太郎!?
チョロチョロと活動するスゥ!?

(そして
 灰谷&白井にナンパされているなる!?
 キツネは何処へ!?
 モトコが景太郎たちを襲う!?
 瀬田さん出番なし!?
 はるかさんが……!?
 気になるサラちゃんどうなるの!?(ェ
 救いを求める仮死状態のむつみさん!!?
 あれ?タマちゃんは!?
 しのぶのそっくりさんがお騒がせ…??)

しのぶはセンパイとの距離を縮めることができるか!?

次回を待て! (ェ

こういう書き方だとしのぶがメインっぽくなってるなぁ…
まぁ そこのところはおいといて
次回
『決断』


で お目にかかりませう
それではでは〜〜♪




ちなみに、『碧』は単行本1巻のおまけページの
なるの初期設定ラフが由来です(ェ
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