ファイアーエムブレム〜聖魔の光石〜


『それは、
 私があなたを好きだからです』


・・・「それは」⇒何かの理由を示すときに使用する
・・・「私」⇒自分・・・
・・・「あなた」⇒話している相手の対象をさす
・・・「好き」⇒・・・・・・・・・好き

・・・好き
・・・・・・好き・・・?
・・・好・・・・・・・・・・・・・・


ルーテの記録より...
『恋の辞書〜1』


『・・・はぁ』

森の木陰・・・
本を片手につぶやく少女が一人・・・

『困りましたね・・・
 この私がここまで動揺するとは・・・
 ・・・勉強不足です・・・』


突然の告白・・・
それは予想だにしない相手だった・・・
確かに幼いころから見てきていた人物ではあった
あくまで観察をしているだけであり、好意を持っていたわけでもない・・・
・・・しかし、
いつものように傍にいた彼が好意を持っていたなんて・・・

・・・少女、ルーテは人目につかぬ場所で頭を抱えていた・・・


『・・・好き』

『・・・好きじゃない?』

『・・・よく、わかりません・・・
 困りました・・・』


彼女は食事の時間は黙々と食べ、
休息の時間には本も読まず・・・外出もせず
戦闘の時はいつもうわの空・・・

明らかに様子がおかしい彼女の様子を見て、
緑髪の少女が何度も話しかけたが、彼女の耳には入らない・・・


『・・・また空を見てる
 前を見ないと危ないじゃない
 ! 近くに魔物が・・・!!』

天馬に乗った緑髪の女性が魔物めがけて手槍を投げる
しかし・・・、たいした威力はなく、魔物はルーテに襲い掛かった・・・

『! ルーテ!!』

その声で我にかえったのか、ルーテはファイアーを唱え、目の前の魔物を焼き尽くした

ルーテ『・・・不覚でした・・・この私が正面から狙われるなんて・・・』

『・・・今は戦闘中よ
 いくら相手が弱くても気を抜いたら死ぬかもしれないのよ!?』

ルーテ『・・・ティターニア・・・・・・』

ヴァネッサ『ヴァネッサ!』

ルーテ『・・・はい』

・・・いつもの彼女とは明らかに違う
これは何かある・・・
ヴァネッサはそう察し・・・

ヴァネッサ『何か・・・あったの?』

静かに話しかけた・・・
しかし、ルーテはうつむいた様子のまま何もしゃべらない・・・

ヴァネッサ『・・・何かあったのね?
       あなたのことだから違うと思うけど・・・
       落ち込んでる?』

ルーテは静に首を横に振る・・・
・・・それを見て、ヴァネッサは首をかしげた

ヴァネッサ『う〜ん、よくわからないけど何かあったのね?』

しかし、ルーテは答えない・・・

ヴァネッサ『私が相手じゃいけない?』

ルーテは不思議そうに顔を上げる・・・

ルーテ『それは・・・つまり・・・?』

ヴァネッサ『悩みがあるなら相談にのるわ』

ルーテ『・・・悩み・・・・・・』

再びうつむくルーテ

ヴァネッサ『誰かに嫌なことをされたの?』

横に首を振るルーテ・・・

ルーテ『・・・嫌、というわけではないのですが』

ヴァネッサ『え? じゃぁ・・・いい事?』

ピクッとルーテが反応した
そこでヴァネッサはニヤリと顔を歪め・・・

ヴァネッサ『恋の問題かしら?』

ルーテの反応が大きくなった

ルーテ『べ、別にルネスガエルの干物がおばあちゃんのわけではないのですよ!?』

ヴァネッサの目が点になった

ヴァネッサ『カエルの干物がおばあちゃん・・・?
       というか、言葉遣いが変じゃない?』

ルーテ『そそそ、そんなことはありませぬです
     魔王大百科辞典165項3の部に魔王の干物ガエルという書物が・・・』

ヴァネッサ『・・・明らかにおかしいわ、それ』

ルーテは顔を赤らめる

ルーテ『ししししかしですよ!?
     魔王が存在せずとも魔王の干物は美味でして
     おばあちゃんの愛がこもった魔王の鉄拳は・・・』

ヴァネッサ『・・・もういいわ
       わけわかんないわよ・・・』

ルーテの顔が真っ赤になる・・・

ヴァネッサ『正直に話してくれる?』

ルーテ『・・・ティターニア・・・・・・』

ヴァネッサ『ヴァネッサよ!!』

ルーテは名前の間違いを気にせず話し始めた・・・

ルーテ『あのですね・・・ティターニア』

ヴァネッサ『ヴァ・ネッ・サ!』

ルーテ『・・・アスレイという人物をご存知でしょうか?』

ヴァネッサ『・・・えぇ、もちろんよ』

ルーテ『・・・・・・』

突然黙ってしまうルーテ・・・

ヴァネッサ『・・・その人のことが好きなの?』

ルーテ『!
     バカな!世界を反転させてもカエルを食べても魔王を殴っても変わりませんよ!?』

ヴァネッサ『・・・いや、意味わかんないし』


ルーテ『好き・・・だそうです』


ヴァネッサ『魔王が?』

ルーテ『いえ、殴るわけではなく・・・』

ヴァネッサ『ナグルファル?』

いつもと違うのでつい遊んでしまうヴァネッサだった

ルーテ『あの魔法は強大なエネルギーを一気に爆破させ・・・』

ヴァネッサ『ゴメン、そっちの説明はしなくていいわ・・・』

ルーテ『しかし、ナグルファルはグラド帝国の双聖器グレイプニルを超える破壊力を持ち・・・』

ヴァネッサ『・・・ゴメン、ホンットにしなくていいから』

ルーテ『威力はファイアーの5倍・・・
     その威力ゆえに命中率は低いと思われがちですが、
     その命中率は双聖器「光輝イーヴァルディ」・「風刃エクスカリバー」をも超え、
     闇魔道を極めたものの極々一部のものしか使えないと言われている・・・』

ヴァネッサ『・・・はぁ』

ルーテ『実際に見たことがあるわけではありませんので
     実在するかどうかは不明ですけど』

ヴァネッサ『・・・ナグルファル・・・
       グラド帝国・・・・・・』


ヴァネッサは何かがひっかかってたまらないようだ

ルーテ『・・・これはあくまで推測ですが
     リオン皇子が持っているかと思われます』

ヴァネッサ『えぇ!?』

ルーテ『先日リオン皇子との戦闘で少し見かけただけなのですが・・・
     使用していたノスフェラートとはまた違う強大な闇のエネルギーを感じました・・・』

ヴァネッサ『さすがね・・・
       魔道を操る者はエネルギーの違いまで感じとれるのね・・・』

ルーテ『私、優秀ですから』


ルーテの名ゼリフと化した言葉である


ヴァネッサ『ち 違うでしょっ!
       リオン皇子じゃなくて!』

ルーテ『・・・さすがですね
     これくらいじゃかわしきれませんか・・・』

ヴァネッサ『あのねぇ・・・』

ルーテ『あなたがナグルファルと言ってきたのですよ?』

ヴァネッサ『ゴメン、それは謝るわ・・・』

ルーテ『しかし、よくナグルファルのことをご存知でしたね』

ヴァネッサ『あなたが以前教えてくれたんでしょうが・・・
       もう、すみからすみまで・・・』

ルーテ『それではナグルファルの重さ、命中率は?』

ヴァネッサ『重さはサンダーの3倍、グレイプニルよりちょっと軽い
       とはいえど、とてつもなく重いので、動きが鈍くなってしまう
       命中は・・・ファイアーを超えるわね ライトニングと同等かしら?』

ルーテ『さすがですね』

ヴァネッサ『さんざん聞かされたもの・・・』

ルーテ『少しは知識があった方がいいと言っていたものですから』

ヴァネッサ『・・・確かにそうだけど・・・
       ・・・じゃなくて!!』


ルーテのペースに流されてしまうヴァネッサ・・・
だが、あまりに話をそらすルーテに対して・・・

ヴァネッサ『ルーテ!
       いい加減にして!』

ルーテ『! ・・・・・・』

ヴァネッサ『・・・お願い、
       本当のことを話して』

ルーテ『・・・告白』

ヴァネッサ『・・・ぇ?』

ルーテ『・・・こ、告白されたんですよ!?
     これはどういうことですか!?
     ねぇ!どういうことなのです、ヴァネッサ!!』

ヴァネッサ『ぅ・・・ る ルーテ・・・?』

ルーテ『・・・すみません、八つ当たりですね
     あなたには関係のないことでした・・・』

ヴァネッサ『ま 待ってルーテ』

ルーテ『はい』

ヴァネッサ『・・・アスレイ殿から?』

ルーテ『・・・はぃ』

ルーテの声が少し小さくなった

ヴァネッサ『なるほどね・・・
       いつも一緒にいるなぁ、と見てたけど・・・』

ルーテ『・・・観察対象だったアスレイが
     なぜこのような行動に出たのでしょうか?』

ヴァネッサ『好きだからでしょ?』


軽く返すヴァネッサを見て
ルーテは?顔になった

ルーテ『そもそも、好き・・・とは具体的にどういうこと・・・なのです?』

ヴァネッサ『え? 好き・・・を具体的に・・・?』

ヴァネッサは深く首をかしげる・・・
そして少し自身がなさそうに・・・

ヴァネッサ『・・・その人とずっといたい
       その人のああいうとこが好きだ
       その人に愛されたい・・・
       ・・・ということ・・・かしら・・・?』

ルーテ『ですから、「愛する」ということを聞きたいのです』

ヴァネッサ『そういわれても・・・』

ルーテ『あなたは恋、というものをしているのですか?』

ヴァネッサ『え・・・ い いや・・・
       なんというか・・・』

ルーテ『あなたは時々落ち着きがなくなります
     普段冷静に物事を考えるあなたがある人の前では突然取り乱したように・・・』

ヴァネッサ『そ、そんなことないわよ!!』

ルーテ『ほら、その話を持ち出すと取り乱す・・・
     強く否定するということはそういうことなのでしょう?』

ヴァネッサ『う゛・・・』

ルーテ『私はあなたのことも観察対象にしているから
     あなたの行動はよくわかります』

ヴァネッサ『そ それはプライバシーの侵害よ!』

ルーテ『あくまで個人的な行動です 問題ありません』

ヴァネッサ『ありまくりよ!』

ルーテ『結論を言うと・・・
     あなたは王子の前で取り乱す傾向があります
     つまり・・・』

ヴァネッサ『わー!わーーー!!!』

ルーテ『・・・普段、あなたは「わー」などと言う人ではありません』

ヴァネッサ『・・・・・・』

ルーテ『エフラム王子のことですよね?
     私、ずっと見てましたから』

ヴァネッサ『ち 違ぁ〜〜〜う!』

ルーテ『おや? 違いましたか?』

ヴァネッサ『あ・・・・』


つい口から出てしまった・・・
ヴァネッサは顔を真っ赤にした・・・
それを見たルーテが

ルーテ『そういうことなら相談してください
     あなたなら私はいつでも応じますよ』

ヴァネッサ『ルーテ・・・・・・
       ・・・・・・・・・
       ・・・だから違うって言ってるでしょ!!』

ルーテ『さすがですね
     やはりあなたをはぐらかすのは難しいようです』

ヴァネッサ『私はまじめに相談にのってあげようとしてるのに・・・
       どうして・・・話をそらすの?
       私じゃ相談しても意味がないの?』

ルーテ『・・・すみません
     私・・・こういうことは初めてなので・・・
     正直、どう相談したらいいかわからなくて・・・』

ヴァネッサ『・・・実はね 私も恋をしてるのよ』

ルーテ『知ってます』

ヴァネッサ『いや、エフラム様じゃなくて・・・
       い いや、嫌いじゃないんだけど・・・』

ルーテ『・・・もしかして』

ヴァネッサ『わ わー!』

ルーテ『エイリーク王女ですか!?』

ヴァネッサ『違ぁぁぁぁぁう!』

ルーテ『あなたにはそんな性癖が・・・』

ヴァネッサ『違う違う違ぁぁぁぁぁぁぁう!!』

ルーテ『では、ターナ王女・・・』

ヴァネッサ『・・・あなた、知っててそう言ってるでしょ・・・?』

ルーテ『では、ラーチェル聖王女ですか?』

ヴァネッサ『・・・あえてその人だけを避けるなんて・・・』

ルーテ『ここで言いふらした方がいいですか?』

ヴァネッサ『性癖とか言いふらされる方が恥ずかしいわよ!』

ルーテ『・・・失礼しました ヒーニアス王子ですね』

ヴァネッサ『そう ・・・というのもなんか変かもしれないけど』

ルーテ『あなたも告白されたのですか?』

ヴァネッサ『ううん、ただの片想い・・・』

ルーテ『・・・それではいけませんね
     王子の気持ちがわからないのでは・・・』


・・・突然ルーテは黙ってしまった・・・


ヴァネッサ『そう、今のアスレイ殿と同じ・・・』

ルーテ『・・・よろしく、じゃだめでしょうか?』

ヴァネッサ『・・・?』

ルーテ『どう対処したらいいか判断できずとっさに言ってしまったのですが・・・』

ヴァネッサ『アスレイ殿に?』

ルーテ『はい』

ヴァネッサ『・・・そうね、
       もう少しはっきりした方がいいかしら?』

ルーテ『あなたもですね』

ヴァネッサ『あのねぇ・・・』


ルーテの頭にライトニングが輝いた


ルーテ『名案をひらめきましたよ!』

ヴァネッサ『いや、私のことはもういいから・・・』

ルーテ『いえ、私が別の男性を好きになれば
     アスレイの気持ちがわかるかもしれません!』

ヴァネッサ『え・・・?
       だ ダメよ! ふ 二股じゃない!』

ルーテ『確か二股とは 好きな相手がいるのにまたほかの相手と付き合ってしまうということで・・・』

ヴァネッサ『い いや、今のあなたはそれとは微妙に違うかもしれないけど
       そんなことしたらアスレイ殿の気持ちを傷つけて・・・』

ルーテ『・・・誰をサンプルにしましょう・・・』

ヴァネッサ『・・・しまうかもしれないのに
       あなたは・・・』

ルーテ『そうです!
     「センシガルシアノムスコロス」!
     彼を実験対象にしましょう!!
     早速行動開始です!』


そう言うとルーテは颯爽と走り去ってしまった


ヴァネッサ『あぁぁ・・・
       ど どうしよう・・・』


頭を抱えてしまうヴァネッサだった・・・・・・・・・


---続く




〜作者あとがき〜

できました!
聖魔SS第1弾!
しかも、「続く」ですよ!(だから?

・・・しかし、見直してみるとかなり文章が下手になってる気がしますね・・・
半年ぶりに書いたものですから・・・
リハビリもかねて・・・とでも言いましょうか(何

そして、これを書き始めた理由ですが
ルーテ×ヴァネッサのコンビがすごく好きでして
これは是非ネタに使わねば・・・と
お互い恋をする(はずの)少女・・・
今後の展開が楽しみです(自分だけ

・・・しかし、これ・・・意外と長編になるかも・・・
お次はルーテ×センシガルシアノムスコロス+ヴァネッサ
・・・に なるのかな?


それでは 興味のある方は次回をお楽しみに〜☆


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