『じゃ、また後でね お兄ちゃん』

『ああ』

---軽く返事を返して、妹「ありす」と昇降口で別れる
  ありすは俺を慕ってくれる可愛い妹だ
  優しいところもあり、見た目も文句無しといったところなので俺よりモテるらしい
  まぁ、俺の妹なんだから当然だな
  ・・・それは冗談として、いい加減な男に妹は渡したくないものだ
  ・・・・・・まぁ、いい加減な男に惹かれたりはしないだろうが


------Story01〜Tsubaki's Episode〜『謎の転校生』------


〜俺は「澤咲 椿」〜
 高等部2年生だ
 妹の「ありす」は2つ年下の中等部3年
 そういうわけで学校内で会うことはほとんどない
 帰るときくらいは一緒になるだろうが・・・


何事もなく平和な学校生活が始まる
平和すぎて毎日が暇なものだ
・・・といえど、平和にこしたことはないのだろうが
少しは変わった刺激がほしいものである

『今日は金曜か・・・』

外を見ながらボソリと呟く椿
土日の予定がないため、
---明日は家でゴロゴロすることになるのか・・・---
と思うとやる気が入らなくなる

(でも・・・ま、面倒なことがないから・・・いいけど)

『なぁ椿、聞いたか?
 中等部3年に入った転校生のこと』

ボーっとしていた椿に刹那が話しかける

『転校生? 初耳だな』

『結構可愛い子らしいぜ
 見に行ってみないか?』

目を輝かせて言い寄る刹那
「行こうぜ!」という気持ちがその様子から受け取れる
声に出さなくても・・・その気持ちは伝わってくる
目がとても輝いているから

『でも中等部の校舎まで行くのか?
 結構距離あるぞ・・・』

『たいしたことないって
 さ、行こうぜ?』

そういうわけで放課後に中等部校舎へ向かうことにした


いつの間にか日も暮れ放課後になる
「早速行こうぜ」と刹那が声をかける
椿はしぶしぶ付き合うことにした

そして二人は教室を後にするのだった

『ところでその子は何組なんだ?』

廊下で何気ない質問を振る
話題が見つからなかったのでとりあえずそんなことを聞いてみた

『あぁ、情報はバッチリだぜ
 ありすと同じクラスだ』

『ありすと同じか・・・』

嫌々ついていく椿はいまいち盛り上がれず、
ただ刹那の後ろをついて歩くような感じになっていた

(・・・たく 見てどうする気なんだか・・・)


そして中等部校舎に着いた
椿たちが通う学校は小学から大学までエスカレーターなので校舎がつながっているのだ
そのため、たびたび中等部の校舎を訪れることがあった
もちろん・・・たいした用はないのだが

『さて・・・どこだ?』

辺りをキョロキョロ見回す刹那
付近の教室内にも目を配りつつ、
廊下を隅から隅まで見渡すこと数分間

そして15分が過ぎたであろう
刹那はため息をつく

『はぁ・・・ もしかしてもう帰っちまったか・・・』

『ま、明日トライしてみろよ』

『そだな・・・ 明日があるよな!』

タッタッタッタ・・・

先ほど椿たちが歩いてきた方角から駆け足のような音が聞こえる
なかなか身軽そうな音である

だんだんこちらに近づいてくるようだ

『ん?廊下を走るとは・・・マナーがなってないやつだな』

と言いつつ、刹那も廊下を走ってることがある

『何か急ぎの用事でもあるんだろ』

『でも昇降口とは逆方向だぜ?』

『じゃ忘れ物か何かか・・・』

そんなことを喋りつつ、足音の主を見続ける

『なぁ椿・・・』

『ん?』

『あれ・・・ありすじゃないか?』

よく見ると見覚えのある髪型だ
夕日に照らされてまぶしかったせいか・・・
その人物との距離が5m以内に近づくまで気づかなかった
確かに・・・あれは椿の妹ありすである

『ありす・・・だな
 なんか急いでる様子だが・・・』

そしてありすが椿たちの目の前を走り抜けようとした時

『お、ありす
 そんなに急いでどうし・・・・・・』

声をかけようとしたのだが・・・
スルーされてしまった

ありすは全く気づく様子もなくその場を駆け抜けた
ありすが気づくのはそれからしばらく経った後である

『まぁ、そんな時もあるさ
 そう落ち込むな』

『いや・・・落ち込んじゃいないが・・・』

『しかし・・・あんなに急いでどうしたんだろうな』

『さぁな・・・』

そう言うと二人は再び廊下を歩き始めた
いろんな教室を覗きながら

そして・・・ありすのクラスの教室に通りかかる
そこで二人は信じられない光景を目の当たりにすることになる・・・            
To be continued......


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