---最近妙な力を感じるな
  僕の知らないところで何か起こってるのか・・・?


------Story04〜Crast's Episode〜『妙な力』------


高等部1−Bの教室
騒がしい教室の中・・・静かに席に座って本を読む少年の姿
彼の名前は「柊クラスト」
彼はハーフなんだそうだが、彼の両親は離婚したうえ、引き取り手の母親は他界しているので彼には親がいない
彼には特殊な力が備わっているのだが・・・この段階ではまだ語らないでおこう

『天気良好!お日様こんにちは!
 雲ひとつないこの青空!
 絶好のお昼寝日和だね♪』

教室内にクラスメイトの大声が響き渡る

『猫塚さんか・・・ 相変わらずだな・・・』

---猫塚由真さん・・・ いつも元気な人だ
  でも、クラスではとても浮いた存在だな
  最初はみんなと溶け込んでいたけど・・・あの耳と尻尾のせいで白い目で見られてるみたいだ
  確かにあの耳はおかしいな・・・
  本来の耳がある場所に耳がないらしい・・・
  つまり・・・頭にあるあの猫のような耳は本物だとか
  ・・・信じられないけど・・・そういうことなんだろうな

そして由真のそばに少年が一人
彼もクラスメイトである

『音霧さん・・・か あの人も大変そうだな・・・
 猫塚さんテンション高いしな・・・』

---音霧楓さん・・・ 何故か猫塚さんといつも一緒にいるようだ
  やや控えめな印象がある
  ・・・おそらく猫塚さんの少ない友人の一人だろうな
  彼女は周りから白い目で見られてるから・・・友達が少ないんだろう
  正直・・・あの耳は僕としても少し不気味だけどな

気に留めなくても目立ってしまうので無意識のうちにそのやり取りを見ているクラスト
何気なくボ〜っと見ている
あちら側は気づいていないようだ
こちらを見向きもせず席についてしまった

『・・・で、あの二人の後ろの席にいるのが水無月さん・・・
 ・・・・・・・・・寝てるな 彼女・・・』

---水無月クラウスさん・・・ 同級生の音霧さんを何故か「お師匠様」と呼んでいる
  一体何の師弟なんだろう・・・
  普通のクラスメイトのようにしか見えない・・・
  ま、考えても仕方ないな
  時々教室にいないことが気になるけど・・・

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

---あんなに目立つのに周りから相手にされていないのが気になるな・・・
  ・・・やはり猫塚さんが原因なのだろうか
  多少不気味でも・・・彼女は何もしてないんだがな・・・
  見た目で判断するのはよくないな
  ・・・まぁ、僕も同じなのかもしれないけど


そして一時間目の授業が終わる

『猫塚由真!未知なる遭遇のために出撃してまいります!!』

突然叫び出すクラスメイトがいた
本人が名乗ったとおり叫んだのは由真≠ナある

---いきなりなんだ・・・?
  教室出ていっちゃったぞ・・・
  授業・・・・・・サボる気なのか?

結局次の授業に猫塚由真は戻ってこなかったようだ
さらに次の三時間目も来なかった
その次の四時間目の授業には出席していたようだが


放課後・・・
妙な力の流れを察知したクラスト
そして力が流れ出ている場所へ向かう

その場所は・・・中庭だった
そこには二人の少女の姿があった

---あれは・・・ 中等部のありすさんか
  ・・・・・・・・・もう一人は誰だ?
  ・・・知らない顔だな

何の話をしているのかは聞き取れない
距離が離れているせいだろう

---やはり・・・妙な力はあの二人から流れているみたいだな
  ありすさんが只者じゃないのはわかってたが・・・
  もう一人はいったい誰なんだ・・・?
  あの人から感じる力は並みのものじゃない・・・
  何か特殊な力を感じるのだが・・・  ・・・よくわからないな

『そこで何をしている・・・』

背後から突き刺さるような女性の声が聞こえた
クラストの背後には背の高い女性が立っていた

『・・・少年、関わると痛い目にあうぞ
 すぐに帰った方が身のためだ』

女性はそう言った
冷静に・・・そして突き刺さるような声で

---・・・この女の人・・・只者じゃないな
  ここは冷静に退いていた方がいいだろうな・・・

クラストは無言で女性に背を向け、去っていった

『そう・・・  その選択が賢明だ
 お前が関わると厄介だからな・・・  特にパルシアが・・・な』            

『キャリア そろそろ行くぞ?』

もう一人・・・緑髪の少女が現れた

『・・・わかった  すぐ行く』

『相変わらず恐いねぇ、あんたは』

『お前は緊張感に欠けているんだ、ジェリアス』

『はいはい  さっさと行くよ』

『・・・・・・』

そして二人の女は姿を消した

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

『やはり・・・まだ関わるべきじゃないんだろうな
 魔法≠フ世界とは・・・な』

最後にクラストの呟きが聞こえてくるのだった・・・

To be continued......


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